断言! 太陽光発電は拡大し続ける…その根拠とは?
2017/10/18
太陽光発電協会(JPEA)が2017年7月に発表した『JPEA PV OUTLOOK 2050』では、2050年時点での日本の太陽光発電設備稼働量を200GW(AC出力ベース)と想定する。住宅用・産業用ともに堅調に推し、2040年以降はリプレース案件も出始め、太陽光発電市場は拡大し続けるという見通しだ。その根拠を見ていこう。
2050年、太陽光発電は
稼働量200GWに到達する
『JPEA PV OUTLOOK 2050』では、2050年時点での日本の太陽光発電設備稼働量を200GW(AC出力ベース)と想定する。その規模は、現状のおよそ5倍。
住宅用・産業用ともに堅調に推し、2040年以降はリプレース案件も出始め、太陽光発電市場は拡大し続けるという見通しだ。JPEAでは、この見通しの根拠を「技術的な観点」「経済的な観点」「技術・経済、双方に関連した観点」から詳述する。以下、そのポイントを見てみよう。
【技術的な観点】
①再エネ先進国・地域においては消費電力に占める自然変動電源(太陽光・風力)の比率が年間平均で40%を超えた地域も存在し、対策は必要だが50%を超えることは十分可能であるとされている。仮に、日本において太陽光200GW、風力75GWを導入したとしても、電力消費に占める自然変動電源の比率は30%〜35%程度である。
②太陽光発電システムの進化が電力系統への統合を容易にし、あらゆる場所とモノに設置・搭載が可能となっていくことで、大量導入の課題解決が新たな価値創造に代わると考えられる。
【経済的な観点】
③当面の間は制度的支援が必要であるが、グリッドパリティー(卸電力料金並み)に到達後は、自立的に導入が進むと期待される。
【技術・経済、双方に関連した観点】
④エネルギー分野で今後進展する左記の「4D+E」が、太陽光発電の普及を加速させる。
■De-carbonization:脱炭素化(パリ協定)
■De-regulation:規制緩和・市場原理の活用(電力・ガスのシステム改革等)
■De-centralization:分散化(分散エネルギー資源の普及拡大と主要プレイヤー化)
■Digitalization:デジタル化(IoT・AI 技術の活用、出力予測の高精度・リアルタイム化)
■Electrification:電力化(特に熱利用と運輸部門において)
⑤電力供給、熱利用、運輸の3つのセクターにおける高効率化と脱炭素化を一体的に推進するセクターカップリング(分野連結)が、再エネ由来電気の需要を増大させ、さらには自然変動電源の出力変動を吸収する能力を飛躍的に向上させる。
取材・文/廣町公則
『SOLAR JOURNAL』vol.22より転載