太陽光 2030年目標には既に事足りている説の勘違い

『JPEA PV OUTLOOK 2050』では、太陽光発電産業の現状を一時的な閉塞状況にあると捉え、2050年に向けてどのように解決されていくか示している。閉塞感の要因は、「系統接続」「買取不安」「収益悪化」「導入目標」「市場規模」の5つに大別される。課題別の解決法とは?

『JPEA PV OUTLOOK 2050』では、太陽光発電産業の現状を一時的な閉塞状況にあると捉え、その要因が2050年に向けてどのように解決されていくかも示している。

閉塞感の要因は、「系統接続」「買取不安」「収益悪化」「導入目標」「市場規模」の5つに大別される。これら要因は、これ以上の太陽光導入のためには送電網の強化や調整電源・蓄電設備などへの膨大な投資が必要であり、2030年の国家目標である再エネ比率22〜24%のためには既に事足りているのではないかという憶測まで呼び、結果として事業意欲の減退に繋がっている。しかしJPEAは、次に記す通り、これらはすべて解決可能な問題であるとする。

①系統接続

系統の容量不足による接続保留問題。接続総容量の上限設定、あるいは無補償による無制限の出力抑制がリスクとなり、事業者はそのエリアでの事業を躊躇せざるを得ない状態となった。対策としては、蓄電池と組み合わせてピークを抑制することや、他エリア(関東・関西など大消費地)まで送れるように送電線を強化することなどが考えられる。

また、地域間連系線の運用ルール改正や、電力システム改革推進の効果も、まもなく現れてくるだろう。さらに、2020年に予定されている発送電分離により、系統運用の効率化が図られ、電力市場での扱い量が増加する。また、系統増強長期計画など系統整備が順次実施され、その効果は2030年前後から顕在化。そして、2040年以降になれば、遠隔地の大規模電源を主力とする系統から、太陽光発電など分散型電源活用のための系統への転換も進んでいく。

②買取不安

2012年7月から導入されたFIT制度により、太陽光発電の導入は急拡大した。一方で、国民負担の抑制という観点から、FIT法の見直しが議論され、2017年4月より改正FIT法が施行された。しかし、この改正は従来制度の欠点を補うものであり、新たな目標に向かうものではないため、市場の先が読めないという不安感を生み出した。

とはいえ、改正FIT法により滞留案件の整理が進めば、健全な案件の着実な導入が可能になるのも事実である。中長期的には、FITだけに頼って市場拡大をするという時代は終わりに向かうが、国が新たに高い目標値を設定すれば、それを実現するための制度づくりや新規ビジネスの創造が促されるものと思われる。

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