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発電効率が30%以上アップする「二軸追尾式架台」の秘密とは?

売電収益を向上させるためには、発電量を増やすしかない。しかし、太陽光パネルの発電効率は、そう簡単にはアップしない。そこで注目したいのが、太陽を追って動く“二軸追尾式架台”だ。トッパーサンの架台「iPV Tracker」を導入した太陽光発電所を訪ねた。

発電効率30~40%UP!
トッパーサンの追尾式架台

トッパーサン(BIG SUN Group)は、台湾に本社をもつ世界有数の二軸追尾式架台メーカー。日本市場には2012年より参入しており、北海道から九州まで100ヶ所以上の導入実績をもつ。同社によると、日本の二軸追尾式架台の80%以上がトッパーサン製だ。

トッパーサンの二軸追尾式架台

トッパーサンの二軸追尾式架台は、iPV Trackerの名称で知られる。太陽の動きに合わせて、方位角と仰角を少しずつ動かし、太陽光パネルに常に最大の光があたるよう制御してくれるというもの。時間によって向きを変えるだけでなく、季節ごとの太陽の動きにも対応する。

これにより、一般的な固定式架台に比べて、同じ太陽光パネルでも30~40%もの発電効率アップを期待することができるという。

さらにiPV Trackerには、雪が降ってもパネルの上に積もらないよう架台を動かす「除雪モード」があるので、降雪地帯でも1年中高い発電量を得ることができる。その他、埃の蓄積を防ぐ「除埃モード」や、強風時にパネルを地面と水平にして風を逃がす「セーフモード」も装備する。架台の高さは1.5~3.6mと高く設定されているので、洪水被害にも遭いにくい。台風の影響が懸念される日本においても、安心して設置できるシステムとなっているのだ。

風速も常時監視し、強風時には「セーフモード」に

赤城山麓に新名所
追尾式メガソーラー運開

今回、取材したのは、埼玉県と群馬県にあるiPV Trackerが設置された太陽光発電所。なかでも圧巻だったのが、今年1月に運転を開始した群馬県赤城町のメガソーラーだ。赤城山の山麓に、二軸追尾式架台(iPV Tracker)が560基も立ち並んでいる。

iPV Trackerには1基あたり24枚の太陽光パネルが載せられており、560基で合計4.4MW。二軸追尾式架台としては日本最大の太陽光発電所になるという。

赤城山麓に運開した追尾式メガソーラー

なお、ここには固定式架台も2.2MW設置されている(二軸追尾式架台との合計6.6MW/総面積93000㎡)。二軸追尾式と固定式の2種類を設置したのは、発電効率の違いを実測データとして収集していくためだ。これまでもトッパーサンでは、多くの発電所で、あえて一部の架台を固定式にして発電量の違いを計測してきた。同社データの信頼性を裏付ける姿勢だといえるだろう。

この日、案内をしてくれた本社CEOの陳進輝氏は、「事業環境が厳しさを増す日本にあっても、iPV Trackerを導入していただければ、高い収益性を確保することができます」と胸を張る。

トッパーサンのCEO陳進輝氏

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