編集部からのお知らせ

化石燃料依存の脱却へ! 世界初の洋上浮体式太陽光発電所「ソーラーシー」とは

オーストリアの太陽光メーカー、スイムソル社による世界で初めての洋上浮体式太陽光発電、「ソーラーシー」のプロジェクトが進行中! 高さ1.5mの波、時速100kmの風、熱帯性気候などに耐えられるという。

化石燃料依存からの脱却に向けた
1つの解決策に

太陽光が潤沢に降り注ぐ南洋上を、そのまま太陽光発電所にしてしまうプロジェクトが進行中だ。オーストリアの太陽光メーカー、スイムソル社による世界で初めての洋上浮体式太陽光発電「ソーラーシー」である。

ソーラーシーは、ウィーン工科大学および独フラウンホーファー研究所とスイムソル社が4年以上にわたる共同研究を行い開発。高さ1.5mの波、時速100kmの風、熱帯性気候などに耐えられる縦横各14mの浮体式プラットフォームに24kWのマリングレード太陽光パネルを備え、耐用年数は30年。同じ地理的条件の屋上設置式パネルより、水による冷却効果と水面の光の反射により出力が5~10%高いのも特徴だ。2014年から常夏の島国モルディブで運用が開始され、2019年6月には、スイムソル社の第三者割当増資を大和証券グループの1社が引き受けたことが発表された。



現在、モルディブではエネルギー供給のために多量のディーゼル燃料が消費され、GDPの25%を燃料輸入が占めている。財政、物流、環境面で負担となっている化石燃料への依存を、太陽光を由来とした持続可能なエネルギーへ代替できれば、同国にとって悲願となる。ソーラーシーは、海洋リゾート産業の自然負荷を軽減する、1つの解決策を示している。


文/Yukinobu Kato

SOLAR JOURNAL vol.30(2019年夏号)より転載

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【 参加受付中!】2024年7月25日(木)「第30回PVビジネスセミナー」
  2. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  3. 環境省地球温暖化対策事業室に聞く! 脱炭素化の課題とその乗り越え方
  4. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  5. 経産省、部分供給の見直し案「分割供給」を今年10月にも導入か。既存のオフサイトPPAへの影響は?...
  6. 専門家に聞いた! 日本に「垂直ソーラー」が必要な理由とは?
  7. 脱原発完遂のドイツの電源構成、どうなるエネルギー費の再高騰リスク?
  8. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
  9. 「雑草」がエネルギー源に!? 名城大が発電を実演
  10. 世界で躍動を始めた、蓄電池の持つ再エネ拡大のパワー
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.49 | ¥0
2024/04/30発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ