東電、再エネ発電部門を分社化「東京電力リニューアブルパワー」誕生!
2019/10/29
10月1日、東京電力ホールディングス株式会社は、再生可能エネルギー発電事業を承継する新会社「東京電力リニューアブルパワー株式会社」の設立を発表した。国内外で7,000MWの開発、2030年には1,000億円の利益を目指すという、大きな組織編制だ。
再エネ発電を分社し強化
東電リニューアブルパワー
10月1日に設立された新会社の名称は「東京電力リニューアブルパワー株式会社」。東京電力グループの発電事業のうち、再生可能エネルギー発電事業のみを行う会社として分社化された。分社化の目的は、再生可能エネルギー発電の大規模開発に向けた意思決定の明確化と資金調達の柔軟化だ。
東京電力ホールディングス株式会社は今後、国内外で6,000から7,000MW規模の開発を行い、2030年度には1,000億円の利益を目指すという。分社化によって国内外のパートナー企業とのさらなる連携強化や、意思決定の迅速化も期待される。
2020年4月本格スタート
再エネの主力電源化目指す
東京電力ホールディングス株式会社は、2015年4月、社内に「リニューアブルパワー・カンパニー」を設置していた。これは2020年の送配電部門の法的分離を見据えた社内体制の改変の一環だ。同カンパニーは、水力・新エネルギー発電事業を中心に洋上風力発電システムの実証研究なども積極的に行っている。その後、今年8月7日には「リニューアブルパワー・カンパニー」分社化の方向性が示されていた。
今後は11月に吸収分割契約の取締役会決議を経て契約を締結し、2020年4月1日に正式に分社化が機能することとなる。
2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーの主力電源化が明確に示され、経済的な自立を目指すとされた。国際的に見ると価格が高いとされる日本の再生可能エネルギー。FIT制度からの自立と同時に、過大な国民負担をともなわない在り方に向けた大きな一歩となることが期待される。
DATA
文/山下幸恵