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世界の共通認識は「1.5℃」! 加速する気候変動対策、日本から6社が賛同

「Business Ambition for 1.5℃」をご存知だろうか?世界の気候変動対策で、存在感を増しつつある国際的なキャンペーンだ。国内企業も相次いで賛同を発表している。次のグローバルスタンダードは「Business Ambition for 1.5℃」かもしれない。

開始から1年、241社が署名
国内企業はNRI、味の素ら6社

5月8日、株式会社野村総合研究所が「Business Ambition for 1.5℃」へ署名したと発表した。さらに、同月21日には、味の素株式会社も賛同を表明。国連グローバル・コンパクト※1、SBTイニシアチブ※2、We Mean Business※3の3者の呼びかけによる「Business Ambition for 1.5℃」。世界の平均気温の上昇を、産業革命以前と比べ1.5℃に抑えることを目指す国際的なキャンペーンだ。

「Business Ambition for 1.5℃」は国内ではまだ耳慣れないものの、世界では署名企業が右肩上がりに増えている。2019年6月13日の発表以来、3ヶ月足らずで87社に増え、1年が経過した2020年6月15日時点で、241社と増加の一途をたどっている。署名した企業は、ネスレ、ダノン、ヒューレットパッカードなど、世界大手が名を連ね、H&Mグループ、バーバリー、シャネルなどファッション界からの賛同も目立つ。

日本企業は、先述の野村総合研究所、味の素に加え、アシックス、アスクル、丸井グループ、小野薬品工業の6社が署名している(2020年6月15日現在)。

「1.5℃」が世界の共通認識に

2015年のパリ協定では、平均気温の上昇を、産業革命前よりも2℃より低く、1.5℃に抑えることが合意された。その後、2018年には国際的な研究機構・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が「1.5℃特別報告書」を発表。『地球温暖化を1.5℃に抑制することには、明かな便益がある』とし、この「1.5℃」が世界共通の認識となりつつある。

こうした背景を受け、2019年9月、ニューヨークで開かれた国連気候変動サミットに先立ち、「Business Ambition for 1.5℃」キャンペーンが発表された。新型コロナウイルス・パンデミックの影響で、2021年に延期されてしまったCOP26(気候変動枠組条約締約国会議)に向け、ビジネスによる気候変動のソリューションを強く促すねらいだ。

「Business Ambition for 1.5℃」キャンペーンに賛同するには、まず、『コミットメントレター』と呼ばれる誓約書に署名する必要がある。次に、SBTイニシアチブの定める基準に基づいて、温室効果ガス排出量の削減目標を設定する。

※1 国連グローバル・コンパクト:1999年、当時のアナン国連事務総長が提唱したイニシアチブ。「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野10原則を企業が受諾し、支持し、遵守するよう求めている。
※2 SBTイニシアチブ:WWF、CDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアチブ。「Science Based Targets」、つまり「科学に基づいた目標」をもって気候変動対策に取り組むことを求めるイニシアチブ。
※3 We Mean Business:企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGOなどによって運営されるプラットフォーム。ビジネスを通じて、世界の様々な課題解決を目指す。

 

DATA

Business Ambition for 1.5°C
野村総合研究所、「Business Ambition for 1.5℃」に署名 ~世界の気温上昇を1.5℃に抑える環境目標へ~


文:山下幸恵(office SOTO)

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