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未稼働措置、工事申込み後も要件確認へ。2MW以上の大型案件が対象

事業用太陽光の未稼働案件について、チェック体制が強化される見通しだ。経産省が10月26日の有識者会議で方向性を示した。これまで適用除外とされてきた2MW以上の大型案件が、今回のフォローアップ措置の新たな対象となる。

2018年12月の未稼働措置で
適用除外だった2MW以上の案件

事業用の太陽光発電所については、過去の高いFIT調達価格の権利を有した状態で長期間運転を開始しない、いわゆる「未稼働案件」について、これまでも複数回にわたり運転を促す措置が取られてきた。2018年12月には、2012年度から2014年度に認定されたものの、運転開始期限が設定されていない案件を対象に調達価格を変更する措置が取られた。
(参照『未稼働案件のFIT認定失効制度が見直し。運転開始期限や太陽光以外にも適用』)

原則として、2MW未満の案件は系統連系着工申込みの受領期限を2019年3月31日までとし、1年後の2020年3月31日が運転開始期限とされた。この期限に間に合わなかった案件は、運転開始準備に入った時点から遡って2年前の調達価格を適用する。例えば、2019年度に着工申し込みを受領された場合、2017年度の調達価格21円/kWhが適用される。

2MW以上の大規模案件については猶予期間が設けられ、系統連系着工申込みの受領期限を2019年9月30日まで、運転開始期限が1年後の2020年9月30日とされていた。ただし、公的手続きによって開発工事に着手済みであることが確認されれば、この措置は適用除外とされていた。

新たに林地開発などの要件確認へ
工事申込み後でも注意が必要

(出典:経済産業省)

10月26日の有識者会議においては、これまで適用対象外とされてきた大型案件についてもフォローアップされる方向性が打ち出された。対象となるのは、2012年度から2015年度に認定され期限までに系統連系着工申込みをした2MW以上の案件で、135件・395万kWにのぼる。

フォローアップ措置として、以下の3条件すべてを満たす案件に対し「着工申込みの提出時点で林地開発許可の取得等の要件が満たされていたかの確認」を行う。条件とは、(1)2MW以上の案件 (2)価格維持のための着工申込み受領期限を過ぎている2012年度から2015年度に認定された案件 (3)当該期限までに着工申込みが受領されている案件ーーの3つだ。

有識者会議では、工事着工申込みに必要な林地開発等の要件が期限までに満たされていない場合「運転開始準備段階に入っているとは言えない」として、調達価格の変更も検討する考えとみられる。すでに工事着工申込みを終えた案件に対する前提条件の確認となり、発電事業者は注意が必要だ。

DATA

経済産業省/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会(第21回) 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(第9回)合同会議


文:山下幸恵(office SOTO)

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