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自己託送を「日本版コーポレートPPA」に。経済産業省が要件の見直しスタート

需要家の再エネ調達手段の多様化は、脱炭素社会の実現にとって不可欠だ。「コーポレートPPA」は、需要家が再エネを直接調達できる有効な方法とされている。経済産業省は、日本版コーポレートPPAである自己託送制度の要件について検討を始めた。

需要家による直接調達手段
コーポレートPPA望む声多く

「コーポレートPPA(Power Purchase Agreement)」とは、需要家が発電事業者から直接電力を調達する契約形態を指す。発電設備が自社の屋根上など敷地内にある場合はオンサイト型、遠隔地にある場合はオフサイト型と呼ばれる。

オフサイト型コーポレートPPAは、需要家が直接再エネを調達できる手段として実現が望まれている。菅首相の脱炭素宣言の際、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が政府に対して行った「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)の見直しに向けた提言」にも含まれている。JCLPは、再エネ電力100%の事業運営を目指す国際イニシアチブRE100の日本事務局だ。

自己託送の要件見直しへ
再エネ賦課金の一部負担案も

3月22日の経済産業省の有識者会議では、「自己託送制度」をオフサイト型コーポレートPPAとして位置づけるという検討の方向性が示された。

「自己託送制度」とは、遠隔地の自社発電所からの電気を送配電網を介して、自社設備に供給できる制度だ。通常の電力供給とは異なり小売電気事業者を必要とせず、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の対象外となる。

今回、再エネ賦課金を逃れる意図で自己託送制度の利用者が増えることがないように、自己託送制度の要件について議論がスタートした。また、自己託送制度でも再エネ賦課金を全額免除するのではなく40%などを徴収するドイツの事例も示された。検討は今後さらに深められる予定だ。

DATA

再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第30回)


文:山下幸恵(office SOTO)

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