東北電力、2021年GW中の太陽光出力制御せず。再エネ発電がエリア需要の約9割
2021/05/27
2021年春の大型連休中、東北エリアの需要に対する再エネ発電比率は一時87.7%となった。東北電力送配電ネットワーク株式会社は火力発電やエリア外送電などによって、再エネの出力制御をせずに需給バランスを維持した。
再エネ比率が最大87%超に
火力抑制やエリア外送電で対応
多くの需要家が長期休暇に入る4~5月の大型連休は、太陽光が多く発電するシーズンでもある。そのため、電気の供給が需要を大きく上回る可能性が高まる。大型連休中の需給バランスの維持は、一般送配電事業者の大きな課題だ。
東北6県・新潟エリアでは、2021年春の大型連休期間中、再エネの出力制御をせずに需給バランスを維持した。5月13日、東北電力送配電ネットワーク株式会社が同期間の電力の需給状況を発表した。
(出典:東北電力送配電ネットワーク株式会社)
東北のエリア需要に対する再エネ発電比率が、連休中にもっとも高い87.7%となったのは、5月4日(火・祝)の11~12時だった。このときの供給力は再エネや火力、水力などを合わせて1,072万kW。これに対して東北エリアの需要は724万kWだった。
東北電力送配電ネットワーク株式会社は、火力発電の出力抑制とともにエリア外への送電や揚水発電設備、蓄電池などの稼働によって需要を調整した。これによって需要側も1,072万kWとなり、需給バランスが保たれた。(参考『東北6県・新潟エリアにおける大型連休期間中の需給状況について|東北電力ネットワーク』)
東北に加え北海道でも見通し開示
再エネ出力制御への備えじわじわ
今年3月16日、東北電力送配電ネットワーク株式会社はウェブサイト上で「再生可能エネルギー出力制御見通し」の掲載を始めた。翌日から3日後までに出力制御を行う可能性を当日の夕方に開示している。
また、東北エリア以外でも出力制御の実施に向けた準備が進んでいる。北海道電力ネットワーク株式会社も4月26日から同様の掲載をスタートしたばかりだ。再エネの出力制御に関する動向を今後も注視したい。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)