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急拡大する地熱発電、「日本のポテンシャルは世界3位」海外研究機関が太鼓判

地熱発電所の開発に反対してきた環境省だが、ついに小泉進次郎環境大臣は方針を転進して、導入を拡大することを表明した。第6次エネルギー基本計画案でも政府が地熱発電を後押しするという。そして海外の地熱開発研究機関は日本の地熱開発に期待を寄せる。

JOGMEC、海外の知見を
積極的に取り込み

日本の政府系資源開発研究機関である石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は日本の地熱開発を促進させるために、海外研究機関の知見・ノウハウを積極的に取り入れている。JOGMECはニュージーランド(NZ)政府系研究機関であるGNSサイエンスと地熱分野における技術協力を加速させている。

JOGMECとGNSサイエンスは2015年7月に地熱分野における環境アセスメント、資源調査手法の開発、探査技術の向上、貯留槽維持・管理、開発地域の地元の理解促進などを含む協力分野において提携を結んだ。さらに20年7月に提携を継続契約した。

GNSサイエンスは地質・地球科学分野のNZ国立研究機関だ。主な研究対象は地質上起こる地震や火山活動の自然災害と、地熱発電や水素製造・貯蔵などの脱炭素エネルギーについて。さらに気候変動や南極圏の環境状況把握、NZの地下層や地下水も研究している。

同機関の前身は1880年代に設立されており、NZでは最古の科学研究機関だ。NZ国内に五つの研究拠点と約470人の職員を擁して、150年以上かけて蓄積された知見・ノウハウを活用して地球科学に関する研究を行っている。その活動は、基礎研究から応用科学、技術開発など多岐にわたる。

GNSサイエンス
日本の掘削成功率向上に自信

GNSサイエンスのイアン・シンプソンCE(チーフ・エグゼクティブ)は日本の地熱発電について「日本は世界3位の潜在導入量がある。そして日本政府は開発支援策や補助金を今後さらに手厚くするだろう。当機関がJOGMECと組むことで、日本における開発特定地域の地下の温度や圧力状況などを当機関のNZの研究所で精緻に試算でき、どのような掘削が適切かを分析できる」と話す。

「当機関の協力のもとで日本の地熱開発が拡大していけば、掘削投資リスクを大きく下げられるようになると考えている。地熱発電の動力源となる蒸気の井戸の掘削成功率は日本では35%程度だと認識している。今まで65%失敗してきたわけだ。当機関が持つマッピング(地層分布や配置などを地図上に見える化)や3Dモデリング(対象をコンピュータにより立体的に図示)技術、そして今後増えて蓄積していく日本での開発知見を踏まえれば、日本でも掘削成功率をぐんぐん上げていくことができるだろう」と強調する。

GNSサイエンスは地熱について、NZ国内では北東のタウポ火山帯を中心に60年以上研究している。当機関の地熱専門分野は多様だ。地質物理学や地質化学に始まり、マッピングや3Dモデリングにまで及ぶ。地熱エネルギーの最適化をはかるだけでなく、持続可能な開発を研究しているのが特徴だという。

持続可能な地熱開発とは、周囲の自然環境を維持しつつ、開発地域のローカルコミュニティの人々とのパートナーシップを非常に重視して長期間にわたり安定して発電することを指す。特にNZでの地熱発電所の土地所有者は往々にして先住民族のマオリ族であることから、マオリ族から理解を得て地域社会の信頼関係を築いていくことに最も力を入れている。 

PROFILE

GNSサイエンス

イアン・シンプソンCE


取材・文:松崎茂雄

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