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今の食生活が気候変動の要因に? アメリカのドキュメンタリー映画が訴える畜産と養殖の危険性

気候変動予測についての業績でノーベル賞受賞者がでるなど、地球環境についての関心が世界的に高まっている。アメリカでは、気候変動をテーマにしたドキュメンタリー映画『Eating Our Way to Extinction』のプレミア上映会が開催され、現在の人類の肉食生活に警鐘を鳴らした。

人類の絶滅につながる
現在の肉食生活

気候変動の大きな要因として二酸化炭素が挙げられて久しい。車の排気ガスを減らす運動が顕著だが、実は畜産によって発生する二酸化炭素の量がそれらよりも多く、また、畜産によるメタンガスや亜酸化窒素の方が自然破壊の大きな原因になっていることはあまり知られていない。

人類が今の肉食生活を続ければ、近い将来、地球は様変わりし、絶滅危惧種だらけとなり、ひいては人間もそうなるという現実を突きつけるドキュメンタリー映画『Eating Our Way to Extinction(我々の食生活は絶滅への道)』のプレミア上映会がロサンゼルスで行われた。この映画は、『タイタニック』でヒロイン役を演じたケイト・ウィンスレットがナレーションと製作総指揮を務めたことでも注目されている。

上映前のレセプションでは植物由来のオードブルが振る舞われた。

9月14日、ロサンゼルスのダウンタウンにあるイマーシヴ・アート&ミュージック・ドーム施設ウィズドームLAで行われた同上映会には、ビーガンや主旨に賛同するセレブが出席。上映の前後に開かれたレセプションでは、プラントベース(植物由来)の料理が振る舞われた。野菜そのものというオードブルがほとんどだったが、鶏肉としか思えない歯ごたえの植物由来の鶏肉もどきで作ったチキンサラダやライスヌードル入りスープなどもあった。

上映会には、『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』に出演した元・人気子役コリー・フェルドマンも出席。「動物だけでなく環境も考え、12歳からビーガンの生活をしている」と話す。

 

ビーガン・アイスクリームは、通常、シャーベット風かココナッツミルクのアイスという感じになるが、レセプション会場で振る舞われたこのアイスクリームは乳・卵なしとは思えないクリーミーさだった。

余談だが、アメリカでは、ケンタッキー・フライド・チキンをはじめ、ファストフードの店が次々と植物由来の肉を導入し、筆者の家の近所にあるスーパーでも植物由来のパテなどが販売されている。こうした肉もどきはアメリカでブームになりつつある。

森は誰のもの?

映画は、いわゆる環境問題をテーマにする作品にありがちな自然破壊による気候変動ではなく、畜産と魚の養殖による自然破壊にフォーカスを当てている。

現在、世界で生産される大豆の約80%は飼料になっており、その大豆を生産するためにジャングルを切り倒し、畑にする。ジャングルで生活する先住民を追い出し、抵抗する者は銃撃する事実も映画では紹介している。そして、先住民の「私たちはこの森で周りと調和を保ちながら生活してきた。私たちは森のほんの小さな一部であって、森は私たちのものではない」と話す姿も映し出す。

高まる食肉の需要に応えるため、草原や森林があった場所が飼料用の畑に急速に取って代わられている。自然を残すよりも畑にした方が格段に儲かるからだ。緑が激減する大きな要因になっている。

この言葉は、私たち日本人にとって親近感を抱くものではないだろうか。日本人に身近な神道では、自然の神々に敬意と感謝の気持ちを持つことを大切にし、古くから「自然との共存」を掲げてきたからだ。

薬漬けの魚

私たち日本人は魚を多く食べる。健康と環境を配慮して肉食から魚メインに切り替える人も増えている。

しかし、この映画では養殖魚の恐ろしい実態もえぐり出す。薬漬けにされた養殖魚の姿はとても“活きが良く”は見えないが、捌いて身だけにすれば分からない。私たちは普段、そうした魚を喜んで食べていることに気づかされる。また、映画では、魚の体内に蓄積するプラスティックの破片の出所についても教えてくれる。

薬の影響で死んだ養殖魚。

 

養鶏の環境負荷も無視できない。

薬漬けの肉と魚。こうした食物を摂取して、果たして私たちは健康を保てるのだろうか? それ以前に、森を破壊し、気候変動の要因となるガスを今の調子で放出し続ければ、私たちは地球をダメにするだけでなく、食糧難にも陥る。次の世代がツケを払うことになるのは明らかだ。

脱炭素、自然エネルギーの普及と共に食生活の改善が「絶滅」を免れる唯一の道だとこの映画は教えてくれた。日本公開は未定。

DATA

『Eating Our Way to Extinction』


取材・文:はせがわいずみ

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