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【JPEAインタビュー】脱炭素化への最重要電源。太陽光の一層の導入拡大に向けて

太陽光発電産業界にとって、今後の事業展開を左右する重要な道標「第6次エネルギー基本計画」。太陽光発電協会(JPEA)は、具体的な方針に業界の声を反映させてきた。JPEAの代表理事と事務局長に、今後の取り組みや所管を伺った。

業界の声を政策に反映━━
集合住宅の太陽光に特例措置

2022年度のFITについて、調達価格等算定委員会の審議が大詰めを迎えています。昨年10月29日に開催された同委員会では、業界団体として当協会がヒアリングを受け、業界の状況と要望事項をお伝えしました。

1月17日に開催された同委員会では、太陽光発電における地域活用要件に関して、事務局(経済産業省資源エネルギー庁)より新しい方針が示されました。その中身は、私どもJPEAが要望してきた内容に沿うものであり、太陽光発電のさらなる導入拡大に向けて、新しい可能性を開くものとなっています。

具体的には、「来年度の10〜20kWの集合住宅の屋根設置の太陽光発電については、配線図等から自家消費を行う構造が確認できれば、少なくとも30%の自家消費等を実施しているものとして取り扱う」とあります。

ご存じの通り、小規模事業用太陽光発電(10〜50kW)については、2020年度より、以下の①②がFIT認定の要件(地域活用要件)に加えられています。①再エネ発電設備の設置場所で少なくとも30%の自家消費等を実施すること。②災害時に自立運転を行い、給電用コンセントを一般の用に供すること。

このうちの①に関して、「10〜20kWの集合住宅」においては、自家消費を行う構造が確認できれば30%の自家消費等を実施しているものと“みなす”ということになるわけです。実質的な要件緩和といえるでしょう。

この背景には、「集合住宅では、通常、屋根上の太陽光パネルで発電した電気を、共用部等でしか使用できない構造であることから、少なくとも30%の自家消費等を行うために、 屋根上の太陽光パネル設置可能面積より、小さい範囲で、太陽光パネルを設置している状況」がありました。せっかく大きな屋根があっても、30%が足枷となって、十分に活用できずにいたのです。今回、示された方針は、この状況を変えることになるでしょう。

JPEAでは、今後とも、業界の声を政策に反映させるべく尽力してまいります。

PROFILE

一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)
事務局長

山谷 宗義氏

1986年 京セラ株式会社に入社。多結晶シリコンの技術開発に約17年間従事。2003年 太陽光パネルに関する数値解析部門を立ち上げ、2016年 開発管理部門責任者に就任。2019年3月より幹事としてJPEA活動に参加。2021年6月より現職。

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