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蓄電池黄金期突入! 求めるべきは賢い貯蔵システム

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一般消費者が求める賢い貯蔵システム

大型のエネルギー貯蔵の対象が主に風力発電なのに対して、家庭で貯蔵するのは、主に屋根置きの太陽光発電からの電気である。

昨年のミュンヘンのインターソーラーあたりから、太陽光関連の展示会の大きなスペースを蓄電池が占めてきている。蓄電池メーカーは価格と機能を競い、テスラ社のように脚光を浴びるいわばスターも現れた。

しかし、基本となるのは屋根上からの電気をどう効率的に使うかをコントロールするソフト機能の争いであると言って良い。これに対して、エーオンやRWEといった既存の大電力会社や前号でご紹介したゾネンバッテリー社などの急成長組が次々と太陽光と組み合わせた新しいシステムを発表している。システムには当然コストがかかる。蓄電池の充放電をスマートにコントロールすることによって得られるメリットがコストを上回って初めて導入へと結びつく。いくつかの資料から見ると、システムの導入によって家庭内で消費する8割から9割の電力を自らで賄うことができるとしている。

エネルギー貯蔵が引き起こすこと

2つのエネルギー貯蔵は、独立して機能するわけではない。家庭内で9割近い電力が賄えれば、グリッドへの負荷は大幅に減る。それは、国全体のネットワークの負荷を下げることにもなる。

さらに、前述したゾネンバッテリー社は、自社の蓄電池システムを導入した家庭をつなぐ「ゾネンコミュニティ」という電力融通サービスをスタートさせている。エネルギー貯蔵技術の進展とシステムの拡大に伴ってエネルギーの需給管理などのビジネスが飛躍的に伸びていくであろう。再エネを創エネの側面からだけ見ている事業者はあっという間に時代から取り残されていくに違いない。


北村和也 Kazuya Kitamura
エネルギージャーナリスト。日本再生可能エネルギー総合研究所(JRRI)代表。エネルギーの存在意義/平等性/平和性という3つのエネルギー理念に基づき、再エネ技術、制度やデータなど最新情報の収集や評価などを行う。
日本再生可能エネルギー総合研究所ホームページ

『SOLAR JOURNAL』 vol.19より転載

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