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【実証実験①】北海道では初となるペロブスカイト太陽電池の実証実験が始まる。厳環境下での可能性は?

日本の太陽電池産業にとって復権に向けたジョーカーとなり得るペロブスカイト太陽電池。日々、さまざまなニュースが配信されているほど注目されている。4月1日から北海道では初となる実証実験が開始された。

北海道の激環境において
可能性を検証

近年、「次世代型太陽電池」の旗手として注目されているペロブスカイト太陽電池。薄型で軽量、柔軟に曲がるという特性を持っているため、従来のシリコン型太陽電池は設置が難しかった場所(建物の壁面や曲面、耐荷重の小さい屋根)への設置が可能でありながら、シリコン型太陽電池と同様の発電効率を持つからだ。経済産業省は「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」を立ち上げ、2024年5月29日に第1回を開催した。

こうした流れを汲んで各地でさまざまな実証実験が開始されている。今回紹介するのは苫小牧埠頭株式会社の物流倉庫にペロブスカイト太陽電池を設置した事例。北海道での実証実験は初となる。

EPC事業会社である日揮株式会社と株式会社エネコートテクノロジーズ、そして苫小牧埠頭株式会社は2023年10月に実証実験の開始を決定。以降、施工方法の検討、物流倉庫へのペロブスカイト太陽電池の設置を行い、実験設備を整えてきた。迎えた2024年4月1日から本格的始動。物流倉庫の屋根と壁面に取り付けられたペロブスカイト太陽電池より発電データを取得している。

気になるのは1年間で得られる実証実験結果。低温・積雪・塩害といった厳しい環境条件を持つ北海道の港湾エリアという場所において、「設置方法と設置場所がいかなる評価を得るのか、いかなる結果になるのか」は関係者の耳目を集めている。

エネコートが開発したペロブスカイト太陽電池

3社が役割分担して
実証実験を推進

■実証実験
苫小牧埠頭の物流倉庫の屋根と壁面に、エネコート製のG2サイズ(370x470mm)のペロブスカイト太陽電池を日揮のシート工法で設置し、厳環境下かつ実装に近い形での発電データの取得と施工方法を含めた耐久性と信頼性の評価を実施する。
■設置方法
遮熱シートを台座として薄膜太陽電池を折板屋根の凸部に固定する工法と、壁面にアタッチメントを取付けて同様に薄膜太陽電池を固定する工法。今回は屋根と壁面でそれぞれ6枚のモジュールによるアレイを構成。
■実証期間
2024年4月1日~2025年3月31日(予定)
■各社の役割
日揮
・実証計画策定
・ペロブスカイト太陽電池の設置、計測、分析および技術評価
・倉庫等への適用に向けた発電システムの開発
エネコート
・ペロブスカイト太陽電池(※)の提供、分析および技術評価
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたもの
苫小牧埠頭
・設置場所の提供
・実証装置取り付けに伴う工事業者との調整
・実証期間中、実証装置の管理
・実証データを踏まえた物流施設への展開を検討

DATA

北海道初となるペロブスカイト太陽電池の実証実験を本格的に開始


取材・文/四谷陽晴

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