政策・制度

環境省、地域脱炭素交付金を大幅増 2024年度概算要求

環境省は、2024年度予算の概算要求を発表した。概算要求額は今年度の当初予算額の約1.2倍。カーボンニュートラルに取り組む自治体を支援する「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」に、前年度の2倍近くの660億円を要求する。

地域脱炭素交付金
660億円を要求

環境省の2024年度概算要求額は7875億円

環境省の2024年度概算要求額は7875億円

財務省は9月5日、各省庁が提出した2024年度予算の概算要求額を発表した。一般会計の要求総額は114兆3852億円で、2022年度の111兆6559億円を上回り、過去最大を更新した。環境省の2024年度概算要求は、一般会計と特別会計の総額が今年度当初比19%増の7875億円。内訳は一般会計が1862億円、グリーントランスフォーメーション(GX)推進対策費も含めたエネルギー対策特別会計(エネ特)が4026億円。エネ特のなかに、GXを強力に進める「GX推進対策費」の枠を設け、1571億円を計上している。

再エネの導入やレジリエンスの強化などに先進的に取り組む自治体を支援する「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」に前年度比88.6%増の660億円を要求する。環境省は、脱炭素に積極的に取り組む「脱炭素先行地域」を2025年までに、全国で少なくとも100ヶ所選定することにしている。2024年度は、脱炭素先行地域の選定をさらに加速させる方針。

「デコ活」に
2830億円を計上

新たな生活様式を呼びかける「デコ活」に全体の3割以上を計上

新たな生活様式を呼びかける「デコ活」に全体の3割以上を計上

脱炭素を実現するための新たな生活様式を呼びかける、いわゆる「デコ活」には全体の3割以上を占める2830億円を充てる。2022年度から始まった「デコ活」を本格的に推進する。このうち、断熱窓の導入など住宅の省エネ改修を促す事業に1170億円を計上した。「デコ活」の啓発費用に52億円を求める。

東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴い、海域などのモニタリングに8億円を盛り込んだ。東日本大震災復興特別会計は1987億円で、中間貯蔵施設の整備などが進んだことから前年度より38%減額している。

2024年度の概算要求の基本的方向について、環境省は「統合的アプローチ」の考え方のもと、経済・社会の基盤となる環境を切り口に「時代の要請」に対応していくことで、将来にわたって質の高い生活をもたらす「新たな成長」を実現し、「新しい資本主義」にも貢献する事業を盛り込んだと説明している。

DATA

環境省ホームページ


取材・文/高橋健一

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