政策・制度

愛知県、次世代バッテリーの研究会 トヨタや日本ガイシなどと連携

愛知県は、トヨタ自動車や日本ガイシ、名古屋大学などから有識者を集めた「次世代バッテリーに関する研究会」を設置する。11月22日に初会合を開き、研究・実証、人材育成、製造拠点の集積化などについて議論する。

産学官で連携
22日に初会合

次世代バッテリーの開発・生産拠点形成を目指して(出典 愛知県)

次世代バッテリーの中心である蓄電池市場の国内総生産額は、経済産業省生産動態統計によると、2020年から2021年は約23パーセントの伸び、2021年から2022年は約17パーセントの伸びで、1兆984億円(2022年)と急速に成長している。2022年8月に策定した国の蓄電池産業戦略によると、世界市場規模は、2050年には約100兆円と推測されている。

愛知県にはEV・産業用バッテリーを必要とする企業や、セラミックスなどの電池材料を扱う企業が集積している。2024年10月に名古屋市に日本最大のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」のオープンにより、スタートアップのさらなる集積も見込まれている。

こうした状況を踏まえ、愛知県における次世代バッテリーに関する研究・実証の推進、関連人材の育成・確保、製造などの拠点の集積促進を図るため、「愛知県次世代バッテリーに関する研究会」を設立することとした。大村秀章知事が座長を務め、11月22日に初会合を開く。

研究開発や人材育成
集積化の方策を議論

研究会では、次世代バッテリーをけん引する全国レベルの有識者により、国内外の市場動向を見据えた研究・技術開発推進の方向性、産学官連携による研究・技術開発の効果的な仕組み、研究・技術開発人材の育成・確保、関連企業の集積化の方策などについて議論し、今後、県が主導して展開するプロジェクトに反映する。さらに、国内外のスタートアップによる研究・試作・実証プロジェクトの公募や、産学官の連携支援を検討するほか、国の「蓄電池の製造サプライチェーン強靱化支援事業」に関連した県独自の支援を検討する。

愛知県次世代バッテリーに関する研究会

1.日時  2023年11月22日(水曜日) 午前9時から午前11時まで

2.場所 「知の拠点あいち」
      あいち産業科学技術総合センター1階 講習会室
     (愛知県豊田市八草町秋合1267-1)

3.委員  15名
  
【大学・研修機関】
産業技術総合研究所 関西センター 所長 辰巳国昭
物質・材料研究機構 フェロー 高田和典
東京都立大学大学院都市環境科学研究科 教授 金村聖志
名古屋大学大学院工学研究科 教授 入山恭寿
名古屋大学未来社会創造機構 客員教授 佐藤登

【企業】
株式会社デンソー
トヨタ自動車株式会社
日本ガイシ株式会社
日本特殊陶業株式会社
パナソニック エナジー株式会社
古河電池株式会社

【アナリスト】
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

【行政】
愛知県知事 大村秀章(座長)
愛知県経済産業局長 矢野剛史
経済産業省中部経済産業局地域経済部長 伊藤浩行

来年1月19日(金)に開催する「第28回PVビジネスセミナー」では、経済産業省情報産業課 電池産業室 係長 本多紘大氏が「蓄電池産業の現状と今後の方向性」というテーマで講演する。


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DATA

「愛知県次世代バッテリーに関する研究会」を設置します


取材・文/高橋健一

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