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自家消費に求められるPCS性能とは? 火災リスクを低減する新パワーオプティマイザ登場

自家消費型太陽光発電の普及が、いよいよ本格化しようとしている。 一方、そこには逆潮流の制御をはじめ、解決しなければならない課題も多い。 安全性の確保など、屋根上の設備ならではの問題もある。 欧米等で数多くの自家消費案件を手掛けてきたソーラーエッジに、PCSに求められる性能を聞いた。

トップ画像:ソーラーエッジの自家消費ソリューションを採用した日東電工株式会社 滋賀事業所

負荷の変動に追従し
リアルタイムに制御

これからのPV市場の牽引になるものと期待される自家消費型太陽光発電。需要地の屋根上に設置されることの多い自家消費型においては、PCS(パワーコンディショニングシステム)に関しても、野立ての売電型とは異なる特性が求められる。自家消費型太陽光発電の新規導入にあたっては、具体的に何を基準に機種選びをすれば良いのか? 自家消費が盛んな欧米において、豊富な実績と高い市場シェアを誇るソーラーエッジは、そのポイントを次のように整理する。

「自家消費ケースでは、まず、逆潮流の制御をどのように実現するかが重要となります。とくに構内負荷の変動に追従し、発電量をリアルタイムにコントロールする動的制御の能力が問われます。また、従業員や資産に近い場所にある屋根上の発電設備ですから、火災リスクの低減など、より高い安全性が求められます。さらに、簡単に登れない屋根も少なくないので、細やかな遠隔監視ができることもポイントです」。

話してくれたのは、国内企業による自家消費ソリューションの導入を支援する、テクニカルマーケティングディレクターの川下宜英氏。さらに、「一口に自家消費といっても、受電設備の規模や負荷のパターン、設置環境などにより様々なケースが考えられる」として、それぞれの条件に合わせて柔軟にシステム構築できるものでなければならないと説く。

パワーオプティマイザと
制御装置内蔵パワコンの真価

ソーラーエッジの産業用PCSは、パワーコンディショナ本体と、モジュール2枚ごとに1台設置れるパワーオプティマイザによって構成される。パワコンとオプティマイザにより、あらゆる自家消費案件への対応を可能とし、パワコンに負荷追従機能が内蔵されているので、急激な負荷変動に対しても高速・高精度な追従を実現している。制御装置を別途購入・設置する必要もない。

パワーオプティマイザは、それぞれに最大電力点追従機能をもち、各モジュールの能力を最大限に引き出すことができるデバイスだ。モジュール2枚ごとに発電量の最大化を図ることができる。また、性能の落ちたモジュールがシステム内の他のモジュールに影響を与えることがなく、影や汚れによる電力損失の可能性も減らしてくれる。モジュールレベルのモニタリングにより、100%のシステム可視性を得ることもできる。

 

アーク放電の可能性を検知し
火災発生を未然に防ぐ

2022年12月15日、ソーラーエッジは産業用次世代スマートパワーオプティマイザSシリーズを発表した。Sシリーズは、これまで以上に高い安全性が得られる製品となっており、屋根上・自家消費型太陽光にも最適なデバイスに仕上がっている。

従来の直流側に何か問題がおきた際にパワーオプティマイザが自動的に直流電圧を安全電圧のIVまで低下させる機能に加え、Sシリーズには、火災の元となるアーク放電を、それが発生する前段階で検知する業界初の技術「ソーラーエッジ (センスコネクト)」が搭載されている。これまでもアークの発生を検出したら瞬時に通電を遮断する機能をもつ製品はあったが、ソーラーエッジセンスコネクトは、アーク発生の可能性を検知して、アークの発生自体を未然に防ぐことができるものとなっている。設置不良や摩耗によるパワーオプティマイザコネクタの熱異常を検知し、アーク発生前に通電を停止してくれるのだ。

これにより火災リスクが大幅に減るとともに、メンテナンス作業を迅速かつ簡単に行うことが可能となった。モジュールレベルのリモートモニタリングにより、システム性能を簡単にトラッキングし、高い精度でピンポイントに問題を特定し解決できるという同社パワーオプティマイザ本来の特性とも相まって、O&M効率の極めて高いシステムを組むことができる。トラブルを未然に防いでくれるので、設備稼働率の向上にも直結する。

さらにSシリーズは、最大 1200Wまでの高入力電流に 対応。大型化・高出力化が進む最 新モジュールにも余裕をもって接続することができる。また、高い変換効率(99.5%)により、発電 量をいっそう引き上げ、LCOE を確実に低減する。加えて、ケーブルレイアウトを簡素化し、より長く強力なストリングを可能にし、BOSコスト削減にも寄与している。

「日本での太陽光発電の継続的な普及のためには、業界における安全機能のさらなる向上が重要です。ソーラーエッジはSafeDC™やアーク防止技術のように、それぞれの状況に応じた、安全性の高いシステムの提供に努めてきました。進化する規制と技術革新、そして消費者の意識が相まって、安全性を前進させ続けています」と川上氏。この先ソーラーエッジは、日本の太陽光発電市場に何をもたらすことになるのか——今後とも同社の取り組みから目が離せそうにない。

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【イベント参加情報】

PROFILE

ソーラーエッジテクノロジージャパン株式会社
テクニカルマーケティングディレクター

川下宜英氏

ソーラーエッジテクノロジージャパン株式会社
神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎東4-5-24-A館
TEL:050-3092-2988
MAIL:Japan-info@solaredge.com


取材・文:廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.44(2023年冬号)より転載

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