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エクソルの住宅用蓄電システム、好調の理由は? ファーウェイとの協業により顧客ニーズに応える

電気料金の高騰を背景に、自家消費型太陽光発電への関心が急速に高まっている。鍵を握るのは、 蓄電システムだ。住宅用蓄電池市場で躍進著しいエクソルの取締役商品本部長 薄井陽一氏に聞いた。

▲蓄電池事業について語る、エクソル 取締役 商品本部長の薄井陽一氏。

安定供給を背景に
自社ブランド化

エクソルの住宅用蓄電池が、市場での存在感を急速に高めている。同市場への本格参入は2020年と日は浅いが、昨年度の販売台数は約5000台を数え、本年度は1万台を突破する見通しだ。

同社では、以前から国産各社の蓄電池を取り扱っていたが、本格参入を機にラインナップを強化。2020年4月より、新たにファーウェイ製蓄電システムの取り扱いを開始した。同蓄電システムをエクソル独自のサービスと組み合わせて、エクソルブランドとして販売する。今日では、エクソルが供給する住宅用蓄電システムの約9割をファーウェイ製が占めるという。

エクソルは、なぜファーウェイの住宅用蓄電システムを主力商品とし、自社ブランドで販売することにしたのか。その理由を、薄井氏はこう明かす。

「良いものを、より安く、安定的に供給したい。私たちのそうした想いを叶えてくれたのが、結果的に、ファーウェイの製品だったのです。一時期、コロナ禍のロックダウンによる影響などから、ほとんどの蓄電池メーカーは “モノがない” 状況に陥っていました。そうした時にも、ファーウェイだけは通常通りの納期で、きっちりと製品を届けてくれました。これは、昨今のロシア・ウクライナ情勢に関しても同様です。

高騰する電気代への対策として、太陽光や蓄電池の導入を考えているユーザーにとって、納期の遅れは切実な問題です。製品の魅力はもちろんですが、信頼できる安定供給体制は大きなポイントになりました」。

エクソルが提供する住宅用蓄電池システム

リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、高い安全性を確保。太陽光発電の過積載分は直流のまま充電するので、売電よりも自家消費を重視した設計が可能。火災の原因となるアーク放電を、自動で瞬時にシャットダウンするAFCI機能を搭載。

 

エクソル独自の施工ID
業界随一の長期保証

エクソルでは、ファーウェイ製蓄電システムを自社ブランドとして展開するに当たり、いくつかのオリジナルサービスを加えている。最近では、施工ID制度の導入と、それを前提とした長期保証が挙げられる。

「ファーウェイの住宅用蓄電システムには、産業用パワコンで定評のある制御機器など、他社の製品にはないハイスペックな機能が組み込まれています。それだけに、施工に際して独特の注意点があり、初めて施工する提携業者の方からは “わかりづらい” という声も上がっていました。

弊社としては、これまでもファーウェイと共同で施工研修などを行ってきましたが、このほど施工ID制度を新設し、施工品質の確保にいっそう強くコミットしていく体制を整えました。講習を受けて知識や技術が十分だと認められた方には、エクソルとして施エIDを発行します」。

さらに、IDをもつ施工業者が設置した蓄電システムに対しては、エクソル独自の “XSOL蓄電池プレミアム保証” を付けることができるという。メーカー保証を延長して、最大20年ものシステム保証にアップグレードすることが可能なのだ。そこには蓄電池の残量保証や、蓄電システムと連携するハイブリッドパワコンの保証なども含まれる。施工品質の向上に加え、そもそも「圧倒的に故障が少ないファーウェイ製だからこそ実現できた」ことだという。

 

狭い屋根面にも設置できる高電圧モジュール「VOLTURBO」

従来の太陽光パネルは、同じ屋根面に4枚以上設置しなければ、電圧不足でパワコンが起動せず発電できなかった。しかし、VOLTURBOなら2~3枚でもパワコンが起動する。蓄電システムと組み合わせれば、狭小住宅でも満足度の高い自家消費が可能だ。


 

太陽光の総合企業として
新ソリューションを提供

エクソルの蓄電池事業が急成長を遂げている背景には、信頼性の高いファーウェイ製品を、現場のニーズに合わせて進化させようとする姿勢がある。エクソルが提供しようとしているのは、ただの製品ではなく、顧客の課題を解決するソリューションだ。「太陽光発電の総合企業」を掲げ、メーカーとして、商社として、インテグレーターとして、幅広く太陽光発電に携わってきた “エクソルだからこそ” の強みだといえるだろう。

住宅用に関しても、日本の屋根事情にフィットした太陽光パネル「VOLTURBO」(上図)を発売するなど、顧客に寄り添った開発を続けている。蓄電池事業も、そうした取り組みの一環だ。

同社では今後、自家消費型太陽光発電システムのいっそうの普及に努めるとともに、蓄電池のより広範な活用を通して、太陽光の有効活用とエネルギーセキュリティーの向上に貢献していきたい考えだ。薄井氏は、「新電力をはじめ多様なエネルギー事業者とアライアンスを組んで、日本の課題解決に取り組んでいきたい」とも話している。エクソルが描く未来に、期待が高まる。

 

問い合わせ

華為技術日本株式会社 / ファーウェイ・ジャパン
東京都千代田区大手町1-5-1
大手町ファーストスクエアウエストタワー12F
TEL : 03-6266-8051

.

株式会社エクソル
東京都港区芝大門2-4-8 JDBビル
TEL : 03-5425-1258


写真/都筑大輔
取材・文/山下幸恵(office SOTO)

SOLAR JOURNAL vol.46(2023年夏号)より転載

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