政策・マーケット

「世界気候行動サミット」で、ハリソン・フォードは何を訴えたのか?

『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』などでお馴染みの俳優ハリソン・フォードは、長年、環境問題に取り組んできた。各界のトップに啓蒙し続けた彼の新たな決意とは?

我々は科学を信じ、
自然を守らなければならない

サンフランシスコで9月に開かれた世界気候行動サミットに出席したハリソン・フォード。コンサヴェーション・インターナショナルの役員を20年務め、副会長でもある彼は、息を荒くして環境問題に真剣に取り組むよう訴えた。

司会者から「『この地球が私達にとって唯一の住処である』と言った人物」として紹介されたハリソンは、「自然を忘れてはいけない。世界中の車を電気自動車に変え、すべての家にソーラーパネルを設置しても、スマトラが燃え、アマゾンの木々がなぎ倒され続ける限り我々の計画は失敗に終わる」と語りかけた。

また、「自然を守ることができないのなら、我々は、自分自身を守ることができない」と話すと会場から拍手が送られた。

利益のために科学を信じない
「ふり」をするのは最悪

「土着の人々の暮らしを守り、彼らに敬意を払うべきだ。そして、科学を信じ、自然を守る大切さを理解するリーダーを選ぶよう人々を教育する必要がある。ああ……、科学を誹謗するのはうんざりだ! 科学を信じない人に力を与えるのは止めてくれ! 最悪なのは、自分の利益のために科学を信じないふりをすることだ! 誰のことを指しているのか彼らは知っている。我々はそれが誰かを知っている!」と怒りを露わにしてスピーチした。

この怒りの形相は、演技ではなく心の底から湧き上がる本物の感情だというのが分かる。

草の根運動に方向転換

昨年開かれたコンサヴェーション・インターナショナル30周年記念のイベントで創始者賞を受賞した際のスピーチでは、「今現在の一番の脅威は、地球温暖化でもなければ大気汚染でもなく、洪水や山火事でもない。科学を信じない人達が重要なポジションにいることだ」と糾弾した。

またその際、「自然破壊を止めないなら、他のことはどうでも良くなる。自然が破壊されたら、人類が生きる可能性が終わる。そうなったら、仕事、経済、自由、民族、子供の教育、繁栄など関係ない」とも続けた。

長年、政治家やコミュニティのリーダー、経済界の重要人物に会って環境問題について啓蒙してきたものの、進歩が見られないどころか、温暖化は嘘っぱちと公言する大統領をアメリカが選んだことで、政治家を動かす苦労にうんざりしたのか、ハリソンは自身の影響力を使って人々を啓蒙する動きを活発化している。数々の名言を生むハリソン。

シンプルゆえに突き刺さるこのフレーズを肝に銘じておきたい。「自然は我々人間を必要としない。しかし、我々人間には自然が必要だ」。

プロフィール

ハリソン・フォード

1942年、アメリカ合衆国生まれ。1985年、『刑事ジョン・ブック 目撃者』でアカデミー主演男優賞に、1993年にはリメイク映画『逃亡者』でゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、その演技力は高い評価を得ている。


取材・文/はせがわいずみ

SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載

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