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エネ庁が未稼働案件への対応決定、「価格切り下げ」の原則は変わらず

12月5日、経済産業省・資源エネルギー庁が未稼働案件への対応を決定した。多数寄せられた反対意見に配慮する形で、いくつか条件を緩和した部分もあるものの、「価格切り下げ」の原則は変えずに制度改正へと踏み切った。

1,600件超のパブコメ
JPEAも意見を表明

FIT制度における「太陽光発電の未稼働案件」への対応について、12月5日、経済産業省・資源エネルギー庁が決定を下した。

ここでいう未稼働案件とは、FIT認定を受けたものの、まだ稼働していない事業用太陽光発電所を指す。FIT制度では、FIT認定された時点で20年間の売電価格が決定し、系統への接続容量も確保される。極端な話、FIT制度の開始当初に認定を受けて「40円/kWhで20年間売電する権利」を得ておけば、設備や施工のコストが下がるまで着工せず待っていても、これまでの制度上は問題なかった。

だが現在は、再エネ賦課金の国民負担は2.4兆円にまで膨張。また、新しい太陽光発電所を建設しようとしても、系統容量が確保できない状況となっている。

そこで、経産省は未稼働案件への対応に乗り出した。具体的には、10月15日の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」で、未稼働案件の買取価格を引き下げる方針を示した。

関連記事:太陽光FIT制度、既存案件の買取金額を減額へ! 「未稼働案件」対象に

ただし、これは最終決定ではなく、この方針に関するパブリックコメントを募集。すると、10月22日~11月21日の1ヶ月間で、1,617件もの意見が集まった。詳細は、パブリックコメント:結果公示案件詳細で閲覧可能だ。そのほか、太陽光発電協会(JPEA)が意見表明を行うなど、是正を求める声が多数あがった。

エネ庁は、こうした意見を踏まえ、従来の価格切り下げの方向性は維持しつつ、猶予措置を設けるなど修正を加えて、今回の対応決定に至った。

条件緩和措置も設けられたが
価格切り下げの原則は変わらず

今回の価格切り下げは、2012~2014年度に認定された事業用太陽光発電(売電価格40~32円のもの)で、運転開始期限が設定されていない案件が対象となる。

また、以下の期限までに運転開始準備段階に入った(送配電事業者によって系統連系工事着工申し込みが不備なく受領された)ものは、従来の調達価格を維持される。さらに、新たに運転開始期限(原則として1年間)を設定。なお、着工申し込み前であれば、買取価格を維持したまま太陽光パネルを変更できる。


系統連系工事着工申し込みの提出・受領期限と、運転開始期限(出典:経済産業省)

上図の通り、受領期限や運転開始期限の設定においては、大規模事業(2MW以上)や条例アセス対象事業に一定の猶予期間が設けられた。これは、パブリックコメントで寄せられた意見などを反映したものとなっている。

また、「開発工事に真に本格着手済みであることが公的手続きによって確認できる2MW以上の大規模事業(原則として、2018年12月5日時点で、電気事業法に基づく工事計画届出が受理されている事業)」は、今回の価格切り下げの対象外とされた。これも、新たに追加されたものとなる。

このように、いくつか条件が緩和された部分はあるものの、「未稼働案件の価格切り下げ」という原則は変わっていない。政府が、一度認定したものを覆す、という異例の措置。しかも元凶は、政府の制度設計の欠陥だ。その尻拭いをさせられる形で、不利益を被る事業者などからの反発は、避けられないだろう。FIT制度そのものへの信頼が揺らぎ、再生可能エネルギーの普及を妨げる一因となる危険性もはらむ。

先述した、パブリックコメント:結果公示案件詳細の中には、「法治国家で一度決めた制度を変えることはあってはならない」、「このような重要な制度変更は省令改正ではなく、法律改正を行い、国会で審議すべき」などの指摘のほか、「今回の措置で事業が取りやめになった場合、事業者が約束していたインフラ整備など地元への利益還元の事業も白紙になってしまう」といった悲痛な訴えも見られる。

強行された制度改正は、どのような影響を及ぼすのか。2MW未満の着工申込み提出期限は、2019年2月1日と目前に迫っている。

DATA

経済産業省・資源エネルギー庁

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