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水上ソーラーの「保安規程」、必要に応じ見直しを! 6月から電技解釈が改正

水上設置の太陽光設備の保安を盛り込んだ、改正電技解釈が6月から施行。これまで明記されていなかった、アンカーやフロートに求められる性能が盛り込まれた。この改正に先立ち、保安規程の変更を届け出たのは、約45%の設置者だ。昨年の台風15号の教訓を忘れずにいたい。

水上設置を加味した改正
支持物に求める性能を明記

水上設置型を含む太陽光設備の設置基準を定めた「電技解釈」が改正され、6月1日から施行されている。改正されたのは、電技解釈の第46条2項『支持物の要求性能』だ。具体的には、水面に浮かぶパネルを水底で固定するアンカー部分の構造や、フロート架台に劣化しにくい材料を採用すること、また劣化防止の措置を施すことなどが盛り込まれた。

実は、これまでは地上設置のみを想定した要求性能しか明記されていなかった。そのため、今回、水上設置の場合を想定し、特有の荷重や外力、部材などに求められる性能が加えられた(参照『事故発生を受け、水上太陽光の設置基準見直しへ! 今年6月に電技解釈改正か』)。

電技解釈とは、電気事業法に基づく「電気設備の技術基準の解釈」を指す。太陽光設備全般を安全に設置するため、支持物などの要求性能を規定したものだ。この電技解釈に従い、設備を新設したり維持したりすることが求められる。

経産省、設計の確認などを指示
「保安規程」変更は半数未満

経済産業省は4月15日、施行に先立ち、水上設置型太陽光設備の所有者に対し、安全管理に万全を期すよう周知していた。具体的には、水上特有の荷重が考慮された設計になっているかメーカーなどに改めて確認することや、フロートといった支持物を巡視点検の対象とすることなどだ。さらに、必要に応じて5月末までに「保安規程」の変更を届け出るよう指示していた。

経済産業省が指示した149ヶ所の水上設置型太陽光設備のうち、保安規程の変更を届け出たのは約45%の67ヶ所だった。

「保安規程」とは、電気を使用するすべての設備に対し、維持や運用方法に関して定めたもので、電技解釈と同様に電気事業法に基づいている。保安規程を新たに定めたり変更したりする場合には、経済産業省への届出が必要になる。

2019年の台風15号は、水上メガソーラーなどに深い爪痕を残した。この手痛い事故を教訓とし、増大する自然災害への備えが徐々に整いつつある。

DATA

水上設置型太陽電池発電設備に関する 水平展開及び技術基準等の改正について


文:山下幸恵(office SOTO)

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