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「再エネ主力電源化時代」を先取りして俯瞰する【前編】~デジタル化と再エネ~

徹底的な再エネ利用にデジタル化は必須。数多くの発電施設やシステムをまとめて制御する、VPPビジネスに欠かせないものだからだ。日本の再エネ主力電源化における、今後の具体的な課題やその解決策とは? エネルギージャーナリスト北村和也氏が語る。連載コラム第20回。

>>前回のコラムはこちらから

日本の再エネ主力電源化
遅れを取り戻すために

エネルギーの“新しい生活様式”は、私たちも含めた需要家が引っ張る「再エネ主力電源化」だと、前回のコラムでは書いた。これは予測ではなく、断定と言い切りたい。

別の言い方をすると、主力電源化しないと日本は世界から取り残され、ビジネスでもさらに他の国々に置いて行かれる。

「さらに」を付けたのには理由がある。日本は、すでに各種の指標で先進諸国から遅れつつあることがわかっているからである。OECDの中のデータでは、すでに下位に落ちている。発足したばかりの政府が、前政権を踏襲すると宣言して唖然とした。現状認識の誤りは政策対応のミスにつながることが恐ろしい。

ただし、デジタル化を進めることについて積極的に見えるのは、「買い」かもしれない。今更とはいいながら、この遅れは何とかしなくてはならない。期待はしたいが、大臣が“与党きってのデジタル通”とのフレーズは、やや悲しい響きがある。台湾の例を習って、優秀な民間の知恵を利用して欲しい。

徹底的な再エネ利用には、デジタル化は必須である。のちに述べるドイツも苦しみながら、今、その道を歩んでいる。

圧倒的に不足する再エネ電源

 前回も書いたように、自治体の「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言」表明が相次ぎ、民間企業の工場やメインオフィスの再エネ電源化の取り組みがニュースになるなど、大所(おおどころ)の国内需要家が、再エネシフトを加速させている。非化石証書をつければ再エネがうたえるFIT電源でさえ、すでに取り合いの様相を呈している。

温暖化防止策として、新型コロナのグリーンリカバリーとして、再エネの重要性は膨らむ一方である。

世界的に見ると今後、再エネの不足は深刻になる。ブルームバーグニューエナジーファイナンスの2018年の予測によると、RE100 メンバーの企業の求めに対して、2030年には、およそ20%程度の再エネ電源しか供給できず、190TWhという莫大な再エネ電力が不足するとのことだ。

再エネ主力電源化は当たり前として、世界はどうやって需給のギャップを埋めるかの議論と実践を積極的に行っている。日本がこのまま凋落していくのか、なんとか踏みとどまって次世代につながっていけるのか、再エネの利活用は、この国にとって、目に見える試金石である。

今回と次回以降のコラムでは、再エネ主力電源化の絵姿をドイツの事例を絡めて具体的に俯瞰(ふかん)する。それにより、日本での課題提起と解決策を考えていきたい。まずは、デジタル化に触れよう。

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