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2020年、世界の再エネ導入容量は「過去最高」へ。IEAが見通し発表

IEAが、2020年の再エネ導入量の見込みを発表。5月の見通しから一転し、198GWの新規導入で過去の記録を塗り替えると予測した。前回から18%もの上方修正だ。パンデミックの影響を乗り越えた再エネは、2025年には「石炭に代わり世界最大の発電源となる」。

5月の鈍化予想を打ち消す
「過去最高」198GWの見通し

国際エネルギー機関(IEA)は今年5月、世界の再生可能エネルギーの状況についてネガティブな見方をしていた。2020年は、新型コロナウイルスの影響で発電能力の伸びが鈍化するという見込んでいた。再エネ設備の新設容量を167GWと見込み、前年比13%の減少になると予想。実に20年ぶりの鈍化が懸念されていた。

しかし、11月10日に発表された「再生可能エネルギーに関する年次報告書(Renewables 2020)」では事前の予測を大きく打ち消す見通しが公表された。2020年に新設される再エネ設備容量は198GWに達し、過去最高を更新すると予想された。前年比で4%の増加だ。

新設の発電設備のうち、約9割が再エネによるものだ。特に風力発電と水力発電の伸びが目覚ましく、風力は前年比8%、水力は43%も増加するという見込みだ。一方、太陽光発電の伸びは緩やかで、中でも分散型太陽光発電システムは新型コロナウイルス・パンデミックのあおりを受け、前年比8%の減少が予測されている。

2021年もさらに加速する勢い
再エネは「最大の電力供給源」に

報告書によると、2020年の前半は新型コロナウイルスによるサプライチェーンの混乱やプラント建設に遅れが発生していた。しかし、5月半ばごろから国境を超える移動制限が緩和されたことで、再エネプロジェクトの進捗は急速に回復した。とりわけヨーロッパ、アメリカ、中国において著しい回復がみられる。

この勢いは翌年も止まらず、2021年には今年よりさらに10%近くの導入拡大が予想されている。2021年の再エネ市場を牽引するのはヨーロッパとインドとされた。特にインドでは、多くの太陽光や風力発電プロジェクトの稼働が予定されており、再エネ導入量は毎年倍増していくとみられる。

さらに、世界の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が2025年までに33%となると予測され「石炭に代わり世界最大の発電源となる」と述べられている。

DATA

IEA:Renewables 2020 – Analysis


文:山下幸恵(office SOTO)

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