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FIP制度がPVビジネスを変える! 太陽光発電ビジネスにどんな変化をもたらすのか?

FIP制度が可能にする
多様なビジネスモデル

FIP制度がスタートしたことで、新たなビジネスモデルの創出にも期待が高まっている。そこには、アグリゲーターや蓄電池を活用した多様なビジネスモデルが想定される。FIP相対契約を活用したPPAによる民間資金の呼び込みや、小売電気事業者と一体となった電源開発もできるようになる。

FIP制度における売電方法は、前頁でみたとおり、卸電力市場での取引だけでなく小売電気事業者やアグリゲーターとの相対取引も可能としている。相対契約により売電収入・プレミアム収入の組み合わせを工夫することで、発電事業者・小売電気事業者・アグリゲーター間でのリスクと収益機会の分散も可能となる。以下、相対取引の先行事例を紹介する。

国内事例1(東芝ネクストクラフトベルケ)
オフサイトPPAとして自治体や産業需要家へ相対で供給することができる

 


※出力制御を考慮しない調整前参照価格となります。毎月変動 出典:資源エネルギー庁資料「FIP制度の開始に向けて」

アグリゲーターが参照価格で買い取り、インバランスを負担することにより、疑似的なFITスキームを構築。データを活用した高度な予測・最適取引・制御によって、発電事業者の収益安定化と小売・需要家に対する安定した再エネ電源の供給を実現する。

国内事例2(エナリス)
電力・再エネ価値取引から、再エネ電力の利用まで幅広くサポート

 


出典:資源エネルギー庁資料「FIP制度の開始に向けて」

アグリゲーター兼小売電気事業者としてインバランスリスクを負担。また、電力価値と再エネ価値を併せて相対契約で取引することで、発電事業者の負担を軽減する。太陽光をはじめとする再エネ発電所の電力・再エネ価値取引から、再エネ電力の利用まで幅広く支援。

国内事例3
FIP制度のもとで、固定価格の相対契約を締結してリスクヘッジ

 


出典:資源エネルギー庁資料「FIP制度の開始に向けて」

FIP制度に移行し固定価格での相対契約を締結することにより、市場価格によらない調達が行え、小売電気事業者側の市場価格変動リスクヘッジが可能となる。一方、発電事業者は「固定価格取引+プレミアム収入」が見込めるため、事業の予見可能性が向上する。

FIP制度により
発電側の蓄電池活用が加速

市場価格に連動した取引が基本となるFIP制度においては、発電事業者側の蓄電池ニーズが増大する。太陽光で発電した電気を蓄電しておき、市場価格が高い夜間に売電すること(タイムシフト)で大幅な収益アップが見込めるからだ。 

これまでは、認定出力を超過した発電量は捨てるしかなかったが、蓄電池があれば、それを無駄なく売電することができる。とくに太陽光パネルの過積載率が高い発電所では、無駄にしていた発電量も多かっただけに、蓄電池によるメリットは極めて大きい。

蓄電池によるピークシフトのイメージ

太陽光発電のFIT価格&FIP基準価格


取材・文:廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.41(2022年春号)より転載

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