政策・マーケット

再生エネルギー、その行く先はどこへ向かう?

非化石価値取引市場、創設へ
再エネと原発の一体化に懸念

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高橋洋教授による講演の様子

同セミナーでは、ほかに都留文科大学教授の高橋洋氏が講演を行った。演題は「電力システム改革と地域エネルギー事業」。電力自由化により広まった自治体新電力会社の動きを考察し、参加者の関心を集めた。

高橋氏は、経産省の審議会で議論が進められている「非化石価値取引市場」についても言及した。その議論とは、CO2を排出しない非化石電源の価値を顕在化し、その価値を証書などの形で売買できるような新市場を創設しようというものだ。現状の卸電力取引市場では、すべての電源が一様に扱われてしまうため、非化石電源だけを切り出して調達することはできない。しかし新市場で、その価値を別途購入することにより、実質的に非化石電源を調達したとみなすことが可能となる。

再エネ電源の調達比率を高めたいと考える新電力会社にとって、一見、望ましい市場創設のようにみえる。ところが、非化石価値取引市場には大きな問題点があると高橋氏は指摘する。非化石電源の定義には再エネだけでなく原発も含まれており、両者が混然一体になってしまう可能性があるというのだ。セミナー参加者からも、「そもそも原発依存からの脱却を目指して再エネを増やそうとしているのに……」と疑問の声が上がっていた。

これについて経産省は、11 月9 日に市場整備ワーキンググループを開催し、「再生可能エネルギー由来の証書に関しては、その他の証書と区別して市場で売買することを可能にしてはどうか」との案を示している。これが実現すれば、その証書を購入した新電力会社は、消費者に対して、再エネ由来の電力を調達しているとアピールすることができる。同省では、2016年中にも検討内容を取りまとめるとしているので、ソーラージャーナルとしても引き続き注視していきたい。


撮影・取材・文/廣町公則

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