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太陽光発電

再エネ導入拡大に向け、「系統制約」の解消を!

コネクト&マネージの導入に向けて

コネクト&マネージとは、今日の日本で導入されている先着優先ではなく、系統混雑時の出力抑制など一定の条件のもとで、できるだけ広く接続を認めていこうという考え方。現在、電力広域的運営推進機関において、導入にともなう課題やルールの検討が進められている。これについてもJPEAは、国民の便益の最大化を訴える。
※先着優先とは、系統の空き容量の範囲内で、先着順に系統接続を認めるというもの。

【短期的には】
・出力抑制の対象は、新規電源に限定するのではなく、火力など既存も含めた全電源とし、国民の便益が最大となるメリットオーダーの考え方に基づき、限界費用の高い発電設備から出力抑制を行うべき。
・出力抑制に関わる費用負担については、抑制される電源側がすべてを負担するのではなく、国全体の便益等を考慮し、一部一般負担とする。

※メリットオーダーとは、運転コストの低い電源から順番に稼働させることにより、全電源の運転コストを最小化すること。

【中長期的には】
・出力抑制の予見性を確保する仕組みが必要である。
・送電系統に加え、配電系統でのコネクト&マネージ導入のために、技術対応や接続条件について検討を行い、自動制御システムでの実証を行うべき。
・将来は、EV、HP給湯器、蓄電池等の分散エネルギー資源の活用、ならびに需要サイドのマネジメントが普及することで、自然変動電源の出力変動を吸収する仕組みが一般化すると考えられる。こうした長期的な可能性を見据え、硬直的な制度としないことが望まれる。

 

託送料金制度の見直しについて

現在、電力・ガス取引等監視委員会において、新しい託送料金制度の検討が進められている。小売電気事業者が託送料金を負担するこれまでの仕組みとは異なり、発電事業者にも出力に応じた一部負担をさせようというものだ。JPEAの考えは、少し異なる。

【発電側負担に関して】
・FIT電源に関しては、少なくとも事業認定されている電源については、調達価格算定時に発電側課金が考慮されていないことから、発電側負担の対象外とするか、あるいは発電事業者の経済性が損なわれない方策が取られることが大前提。

・新規のFIT電源に対して発電側課金が適用される場合は、調達価格の算定に発電側課金が考慮されることが必要となる。

・託送料金制度の見直しにおいては、たんに送配電網の維持・運用費用を最小化する発想ではなく、コスト競争力のある再エネの導入・稼働による国民の便益を最大化することを含め、電力系統システム全体で3E+Sが実現する方向に誘導する仕組みとして検討されるべき。
※3E+Sとは、 エネルギーの安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)、安全性(Safety)を意味する、日本のエネルギー政策の基本となる考え方。

 

JPEAの見解を発表する事務局長の増川武昭氏

再エネの普及拡大は、化石燃料依存から脱却し持続可能な社会を実現していくためにも不可欠なことだ。国も、エネルギー基本計画において「再生可能エネルギーの積極的な推進」を掲げている。しかし現実には、日本の系統運用は世界的にも極めて異質であり、それが再エネの導入を妨げていると言わざるを得ない。太陽光発電協会の考えに、今こそ耳を傾けるべきだろう。


取材・文/廣町公則

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