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卒FITはどんな未来につながっている? 「再エネ価値」のP2P取引も!

卒FITの出現は、社会を変える原動力になる。電力の個人間取引や、再エネ価値の売買など、新たな仕組みをつくるきっかけにもなる。広がっているのはブルーオーシャンだ。そこには、従来の電力システムを変える大きな可能性が広がっている。卒FITというきっかけを、どう活かすかが問われている。

RE100企業が
欲しがる理由

卒FIT電力は、制度による支援がないかわりに、制度による束縛もない。前記事のとおり、そこには「再エネ価値」があり、これまでの電力取引とはまったく異なる価値取引を生む可能性も秘めている。再エネ価値は「環境価値」とも「非化石価値」ともいえるもので、CO2削減を求める世界的トレンドのなかで大いに注目を集めている価値だ。それは今日、企業の業績にも直結し、ファイナンスにも影響を与える重要なテーマとなっている。再生可能エネルギーとしての付加価値は、これまでになく高まっている。

ちなみに、買取期間中のFIT電力は、再エネ価値を直接にはもっていないと見做される。FIT電力の再エネ価値は、制度上、再エネ賦課金を支払っているすべての国民に帰属すると考えられるからだ。そのため、FIT電力を調達しても、再エネを調達したことにはならなかった。再エネ調達比率を高めたい企業は、実際の電力とは別に「グリーン電力証書」や「J-クレジット」「非化石証書」などを購入する必要があったのだ。

その点、卒FIT電力であれば、こうした証書を購入することなく、そのまま再エネとして認定される。再エネ比率を高めたい新電力会社やRE100加盟企業にとっては、割高でも購入したい魅力ある電力なのだ。


電気の個人間取引も可能

卒FIT電力を集めて販売する仕組みとして、発電側と需要側を直接つなぐ、新しいプラットフォームを構築しようという動きがある。ビットコインなど仮想通貨取引で使われているブロックチェーン技術を活かして、電力の「P2P取引」を実現しようとするものだ。

P2Pとは、「Peer to Peer(ピア・ツー・ピア)」の略。もともとは通信方式の1つで、中央サーバーを介さず個々の端末(Peer)が互いに信頼し合うことで成立するネットワークのことを指す。これをエネルギーの世界に応用すれば、個人間の電力取引も可能になると期待される。ブロックチェーンは、分散型台帳技術とも呼ばれるもので、細かい取引・約定・決済結果を正確に記録することができる。これらは仮想通貨取引に限らず、小規模で数の多い取引には様々に活かし得るものなのだ。

今年から誕生する卒FIT電力は、住宅用太陽光発電が対象であり、1件1件は小規模なものだ。しかし、その数は膨大であり、2019年だけで53万件、2023年までには165万件(合計約670万kW)にも達すると見込まれる。これだけのポテンシャルをもつ卒FIT電力を、P2Pで取引することができれば、電力システムのあり方は大きく変わってくるだろう。


P2P電力取引のイメージ(一例)

既存の電力市場を介さずに、個人間取引を行うイメージ。電力供給者には、発電とともに
自家消費もする卒FIT家庭などのプロシューマ̶が想定される。

出典:資源エネルギー庁

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