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旧型PCSで変換効率70%事例も!V字回復が期待できる「賢いリプレイス術」

固定価格買取制度(FIT) の開始から10年が経過した。今後問題となりそうなのが、 パワーコンディショナの劣化だ。 トラブルを未然に防ぎ、発電量を最大化するためにパワコンのリプレイスを考えるべき時が来た。 その理由をアンプトジャパンに聞いた。

突然のパワコン故障を回避
「リプレイス診断チェック」

「パワーコンディショナ (パワコン)が故障したので交換を考えている」。最近、アンプトジャパンのもとには、太陽光発電事業者からのそんな切羽詰まった相談が増えた。事情を聞くと、事業者がパワコンメーカーに修理依頼すると「3カ月から半年を要する」、「その型式は取り扱いを終了しており、修理に時間を要する」などの回答が届いたとのこと。故障している間は発電がストップし、減収となる。

こうした事態を未然に防ぐには、パワコンが故障する前のリプレイス(入れ替え)が考えられる。リプレイスのタイミングには、4つのチェックポイントがある。

◉現状パワコンの「CHECK LIST」◉
✅ 設置から10年目が近づいてきた。
✅ 直近1年間の平均変換効率が93%以下である。
✅ パワコンメーカーからオーバーホール点検の連絡がきた。
✅ 使用中のパワコンについて、メーカーが取り扱いを終了している。

このうち一つでも当てはまることがあれば、新しいパワコンへのリプレイスを検討した方がいい。いつ故障するか分からない上に、故障しても修理できない恐れがあるからだ。故障が発現する前に先手を打ってリプレイスを考えてもよいのかもしれない。
 

オプティマイザの併用で
発電効率が10%UP!?

2012年、固定価格買取制度(FIT)が始まった。当時設置したパワコンが10年目に差し掛かるのに伴い、冒頭のような相談が増えてきた。

早めのパワコンリプレイスを勧めるのには、2つの大きな理由がある。1つ目は、パワコンのオーバーホールのコストが新設パワコンよりも上回る可能性があるからだ。2つ目は、新品の方が性能がいいからだ。ここ10年でパワコンの技術は目覚ましい発展を遂げた。新型ほど、電力の直流から交流への変換効率が大きく向上しており、低日射時でも発電が停止しにくいため、 リプレイスによる発電量アップが見込める。

古いパワコンを新しいパワコンにリプレイスする前後の電力量と発電効率の実測値を比較した表。1年前と比べて、発電効率が6%以上アップした。ケースにもよるが、5~10年経過したシステムでは6~10%の発電効率アップが期待できる。

トップの写真は、静岡県のある工場の屋根上の太陽光発電でパワコンの故障が多発していたため、事業者がアンプトに相談して改善した事例だ。パワコンの平均変換効率データを見ると、2年8月は古いパワコンで変換効率が91.4%まで落ちていた。それを新しいパワコンに交換したところ、 変換効率が98.1%まで上昇した。

変換効率は天候、日射量などで差が出る。 旧型パワコンは日射量が低いと発電が止まることがあり、さらに変換効率が70~80%台まで落ち込むことがある。一方、最新パワコンは日射量が低くても、変換効率はおおむね30%台後半を維持する。そのため、1ヶ月当たりの平均変換効率に大きな差が出るのだ。
 

それでは、単純にパワコンを交換すればいいかというと、それだけでは十分ではない。 最近のパワコンは直流側電圧が上がっており、例えば、600V系パワコンで144直列だった太陽光パネルを、最新の1000V系パワコンでは20直列に変換する必要がある。そのための新たな配線変更が必要で、部材費や人件費がかさむ。 また直列数を増やすと、法律的に低圧区分から高圧区分になり、絶縁耐圧試験などが必要で、検査基準が厳しくなるなどコストと時間がかさむ変更が出てくる可能性がある。

そこで、パワコンのリプレイスと同時に、全てのストリングの最大出力を引き出すDC DCコンバータ装置「Amptストリングオプティマイザ」を追加設置すれば、パネルは1/4直列のままで最新の1000V系パワコンが使用可能となる。

経年劣化によるストリング間の最適動作点のズレによるミスマッチ損失も低減できる。パワコンのリプレイスとAmptストリングオプティマイザの導入で、6~10%程度の発電量アップが見込める。そのため、リプレイスにコストがかかったとしても、FIT価格が高い時代の発電所なら3~5年程度でペイできる計算になる。

国も既設の再エネ設備の最大限の活用や長期電源化に向けた検討を深めていくとしている。そのためにも、パワコンのリプレイスの検討をしてみてほしい。
 

問い合わせ

アンプトジャパン合同会社
神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目6-12
TEL:045-565-9977


取材・文/大根田康介

SOLAR JOURNAL 特別配布号 より転載

Sponsored by アンプトジャパン合同会社

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