傾斜地など特殊な3つの設置環境について、ガイドラインをNEDOが公表
2021/12/10
傾斜地設置型・営農型・水上設置型の太陽光発電システムを安全に導入するために、NEDOが「太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2021年版」を公表した。地上設置型のガイドラインは2019年に発表されていたが、特殊な設置環境についてのガイドラインはこれまで未整備だった。
傾斜地・営農・水上の3つを公表
太陽光発電の安全な導入のために
太陽光発電が普及し、設置環境は傾斜地や農地、水上などと多様化している。こうした特殊な設置場所では、通常の地上設置と比べると設計や施工が難しい。しかし、これまでは具体的な設計や施工方法を示すガイドラインが示されていなかった。
そこで、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2021年版」を更新し、傾斜地設置型・営農型(ソーラーシェアリング)・水上設置型の3種類のガイドラインを新たに公表した。
NEDOは2019年に地上設置型のガイドラインを発表している。今回は、それに傾斜地設置型・営農型・水上設置型の構造設計や電気設計、施工についての項目を加えた。
設計から維持管理まで広くカバー
さらなるブラッシュアップも予定
傾斜地設置型・営農型・水上設置型の各ガイドラインでは、構造・電気設計や事前調査、施工や維持管理のプロセスで要求される事項が、幅広く掲載されている。
「傾斜地設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」では造成の基本的な考え方に加え、切土や盛土、排水の計画などについても解説。「営農型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」では、発電設備の下で農業を営むうえで大切な感電防止対策についても詳しく説明されている。
ガイドラインの公表はNEDOの委託事業の一環で、事業期間は2022年度末だ。NEDOは今後、他の実証実験結果などを反映し、さらに改定を行う計画としている。
DATA
NEDO「太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2021年版」
文:山下幸恵(office SOTO)