編集部からのお知らせ

2020年度FITの概要をチェック!~バイオマス発電はFIT価格据え置き~

昨年度、抜本的な見直しが議論された、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)。動き出した2020年度FITの概要を電源ごとに整理。今回はバイオマス発電についてみていく。

FIT価格据え置き。
地域活用要件を視野に

バイオマスも中小水力・地熱と同様に、すべての区分においてFIT価格の変更はない。パーム油などのバイオマス液体燃料と10,000kW以上の一般木材等バイオマスは、引き続き入札の対象となる。 

バイオマスの発電コストは、稼働期間全体にわたって燃料を要することから、一般的にコスト全体に占める燃料費の割合が大きく、高コスト構造にある。一方で、10,000kW以上の大規模案件は、一般木材等バイオマス発電・一般廃棄物その他バイオマスなどの複数の区分において発電効率が高く、相対的に低コストでの事業実施が可能である。こうしたことから、地域活用要件は「10,000kW未満」の設備を対象とし、2022年度より適用される見通しだ。

2022年度から
バイオマスに「地域一体型」の地域活用要件

バイオマス(10,000kW未満)についても、2022年度から地域活用要件が加えられることとなった(低圧太陽光は今年度から)。ただし、低圧太陽光の地域活用要件である「自家消費型」とは異なり、「地域一体型」という別種類の地域活用要件だ。 

具体的には、以下①~③の要件のいずれかを満たすことが必要となる。事前調整も必要となるので、案件開発にあたっては、いまから新要件を踏まえて動いていくべきだろう。なお、電源によっては活用が難しいものもあることから、電源特性等を踏まえつつ、詳細な検討は今後進めていくことになるという。

①災害時(停電時)に再エネ発電設備で発電された電気の活用が、自治体の防災計画等に位置づけられること。

②災害時(停電時)に再エネ発電設備で算出された熱の活用が、自治体の防災計画等に位置づけられること。

③自治体が自ら再エネ発電事業を実施するものであること。または、自治体が再エネ発電事業に直接出資するものであること。
▶防災計画等については、防災計画だけでなく、災害時の活用に資するものであれば、ハザードマップや自治体と再エネ発電事業者間で締結された個別協定も含む。
▶自治体の再エネ発電事業への直接出資については、自治体が主体的に参加していると認められる案件のみを対象とすることとし、自治体の関与が形骸的である案件は除く。


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.33(2020年春号)より転載

関連記事

2018/04/18 | 編集部からのお知らせ

FIT大幅見直しで、バイオマス発電はどうなる?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【終了】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  2. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  3. 市場運用者・広域機関に聞く、長期脱炭素電源オークションが目指すものとは?...
  4. 【2024年太陽光ビジネス】再エネは「長期安定電源」になる! 事業環境の整備に必須のリパワリング...
  5. 【受付中】5/28(火) ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  6. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  7. 【地域共生成功モデル紹介】ゼロカーボンビレッジ創出&市民参加型の取り組み...
  8. 経産省、新電力ビジネスの経過措置「部分供給」の見直し案 オフサイトPPAへの影響は?...
  9. 太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か
  10. 東京都の2024年度系統用蓄電池導入事業 特高5件、高圧6件を採択予定
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ