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コスタリカで間もなく始まる水素エネルギー社会実験

2021年までにカーボン・ニュートラルを実現することを目標に掲げたコスタリカ。電力供給は自然エネルギー100%をほぼ達成。問題は交通機関からの温暖化効果ガス排出をどうするかだ。水素エネルギー活用で活路を見出そうとする最前線を取材した。

電力供給はクリーン化を達成
問題は交通機関からの温暖化効果ガス排出だ

水力、風力、地熱発電を主なエネルギー源に、発電のほぼ100%自然エネルギー化を達成したコスタリカは、2021年までに国家として初めてのカーボン・ニュートラル国家となることを目標に掲げている。しかし、気候変動活動家のモニカ・アラヤさんは、自然エネルギーへの移行は偉業としつつも、矛盾が存在すると指摘する。というのもコスタリカは、エネルギー消費の7割を石油に依存しているからだ。他国同様、交通機関のエネルギーのほぼ全てを化石燃料に依存しているのだ。

交通網をクリーン化しなければならない
水素エネルギーの社会実験が間もなくスタートする

アラヤさんと同じく交通機関由来の温暖化効果ガスを何とかしたいと語ったのは、アド・アストラ社の技術者エステバン・エチェヴェリア・フェルナンデスさんだ。エチェヴェリアさんが働くアド・アストラ社は、コスタリカ北西部のグアナカステ県のリベリアで水素エネルギー活用の研究開発を進めている。リベリア空港そばの広大な敷地内にある会社を訪れると、社屋の外には風車と太陽光パネルが設置されいた。自然エネルギーで作った電力を水素に変換して貯めておき、車やバスを水素エネルギーで走らせるためだ。

エチェヴェリアさんにコスタリカで最初の水素ステーションを見せてもらった。年内にもリベリア空港とリベリア市内を往復する水素バスを走らせる計画を進めている。このように、まだコスタリカでは水素エネルギーの社会実験が始まろうとしているところだが、未来を見据えたビジョンに向けて着実にステップを踏み、カーボン・ニュートラルに向けて歩み始めているコスタリカに今後も期待したい。

アド・アストラ社 エステバン・エチェヴェリア・フェルナンデスさん(写真上)

関根 健次
ユナイテッドピープル株式会社 代表取締役
一般社団法人 国際平和映像祭 代表理事

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