発電量40%UP!? 注目の追尾式架台システムって!?
2017/03/27
追尾式架台が発電量アップにつながるのは分かるけど、コストを考えると難しいのでは……、そんなイメージを覆す画期的な追尾式架台が登場した。
季節ごとの傾きにも対応
積雪対応モードも完備
2006年に設立された台湾のトッパーサンの、追尾式太陽光発電架台システム「iPV Tracker」がその発電効率の高さから注目を集めている。
5年前から効率アップのために、追尾式架台システムに注力してきた。通常の野立式では太陽光パネルは一方向にしか向いていないが、同社の架台なら太陽を追いかけて360度回転し、季節ごとの太陽の傾きにも対応する。
「他にも追尾システムはありますが、当社の「iPV Tracker」が最も優れていると思います」と自信をもって語るのは、同社会長の羅家慶氏。技術者でもある羅氏は、自ら開発に携わり、多くの特許を取得してきた。
PV EXPO2017会場で展示されていた追尾式架台「iPV Tracker」。
同社の「iPV Tracker」の特徴は、十字2軸、ワイヤー、バネ、リール、25Wモーターという簡単な構造になっていること。ホームセンターでも手に入るような部品を使っているため、油圧ポンプ式よりもメンテナンスコストが安く済む。また柔軟性が高く台風にも強い。
さらに、パソコンやタブレットで遠隔操作・監視も可能だ。発電に問題がないか赤信号、青信号で表示され分かりやすい。また積雪対応モードもあり、ボタン1つで架台が回転して積もった雪を落とすこともできる。
埼玉県のある顧客が「固定式と追尾式の発電効率を比べたい」と要望し、両方を設置した発電所を作った。そこでデータをとったところ、3ヶ月間で平均40%も発電効率がアップしたのだ。「朝8時くらいに発電のピークを迎え、そのあとは夕方までずっとピークの状態を保てます」(羅氏)。
固定式だと、太陽の向きによっては1つ手前にあるパネルによって影ができてしまう。だが、追尾式ではそうしたことがほとんど起こらない。架台の高さも2.46~4.5メートルと高く、洪水被害にも遭いにくいというメリットがある。
現在、日本国内で80ヶ所運用しており、もうすぐ100ヶ所に到達する。北海道から九州まで、全国で同社の「iPV Tracker」が活躍中だ。
トッパーサン会長の羅家慶氏。
株式会社トッパーサン・ジャパン日本支社
http://jp.toppersun-energy.com/
取材・文/大根田康介