欧州一の売上を誇るSonnen社の蓄電池システムとは?
2017/08/03
太陽光発電で100%の需要を
カバーする画期的なシステム
Sonnen社は、その先を走っている。
同社が昨年の初頭からスタートさせたのが「sonnenCommunity」というサービスである。これは、同社の蓄電池システムを導入した家庭をコミュニティとして繋ぐというコンセプトである。具体的には、蓄電池の充放電を各家庭内だけでなくコミュニティ全体の中で最適化するものである。この広い電力融通の結果、電力需給の過不足がさらに平準化され、100%太陽光だけで参加家庭の需要が賄えるようになるという。
sonnenCommunityのコンセプト図(Sonnen社のWEBサイトより)
すでに数千規模のシステム購入者がコミュニティに参加している。また、そのシステム運用には、ブロックチェーンの理論が使用されている。
さて、そのような使用、つまり、充放電の繰り返しに耐える蓄電池を求めた同社が使っているのは、ソニーの製品である。日本人として悪い気はしないが、日本がシステムやビジネスモデルを構築した側に回っていない点では大変残念である。
繰り返すが、蓄電池の価格や性能はもちろん重要ではある。しかし、Sonnen社はそのレベルでの議論を超えた可能性を持っているといって過言ではない。
文/北村和也
エネルギージャーナリスト。日本再生可能エネルギー総合研究所(JRRI)代表。エネルギーの存在意義/平等性/平和性という3つのエネルギー理念に基づき、再エネ技術、制度やデータなど最新情報の収集や評価などを行う。
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