大規模に成長 太陽光フェスの自エネ普及への願いとは
2018/01/11
311震災をきっかけに、ミュージシャン佐藤タイジが「太陽光発電で武道館をやろう!僕たちにはできる!」と始まった音楽の祭典。誰もが無謀とも感じたその挑戦は多くのアーティストと関係者の気持ちを集め、今年はなんと3万人を集める場にまで成長。6年の月日の中で育まれたその姿はすでに“文化”と呼びたくなる、人の心と表現のカラフルな場を創り出している。
今年は3万人を動員、
自然エネルギー普及への願い
「太陽光発電による音楽フェスティバル」をテーマに2012年12月の日本武道館からその開催をつなぎ続けている「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」。以前にも紹介してきたポスト311の時代を象徴する”ソーラー発電のフェス”は年々拡大し、今年は3万人規模まで成長しました。
何よりもやはり、311震災の福島第一原発事故をきっかけにした自然エネルギー普及への純粋な願いが、佐藤タイジから参加アーティストへ、そして集まるお客さんに着実に伝わり広がってきたことで、会場には「ソーラーブドウカン」ならではの気持ちの良い空気が満ちて、家族連れから高齢者までが入り交じるのも心地よい地域性です。
また当初から言われてきた「太陽光発電で音質が良い」という評価も完全に定着、太陽光発電&バッテリーでのステージ給電も8割近くに拡大し、グリーン電力証書やバイオディーゼルのサポートも活用した電力供給のトータルは毎年公開されています。
フェスには吉川晃司さんも出演。
太陽光発電が、
この国を支える「文化」となる時代へ
広い会場に着々と広がり続けるワークショップ、アクティビティーや美術の姿も、自然エネルギー・フェスというコンセプトに相応しく多様に充実し、光の姿を象徴するレインボー色の熱気球の姿はすっかり毎年恒例です。さらに今年は「竹」を使った美術がとてもダイナミックで印象的でした。
会場を提供している中津川の街でもすっかりフェスの開催が定着し、開催の土曜日の夜は駅前の飲み屋さんは、フェスに泊まりがけで来たお客さん達で盛り上がる姿がお馴染みです。ちょうど特産が旬の栗きんとんや地酒のお店もますます張り切っています(笑)。
こうして、このフェスが中津川という街に定着している様子には、既にひとつの「文化」と言って良い質量と歴史を感じるようになってきました。その延長に、私たちの太陽光発電が文化となってこの国を支える時代が見えてくる気がするのです。ぜひ来年はその目で確かめ楽しんでください!
豊かな緑に囲まれた会場の、いたるところにソーラーパネルが設置されている。
地元企業である中央物産の蓄電池システムがバックアップ。
文/南兵衛@鈴木幸一
『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載