炭素税に賛成!地球を守るオスカー女優の実践とは?
2018/01/17
「環境を守る責任」に、人々が気づくきっかけを。 新作映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』で、人々を恐怖に陥れる悪役ヘラを迫力満点で演じるケイト・ブランシェットの素顔は、環境問題に真剣に取り組むよう呼びかける熱心な環境活動家だ。
カーボン・ケイトとして
炭素税キャンペーンに参加
美しさと天才的な演技力を兼ね備えた彼女は、さまざまなチャリティー活動に積極的に参加する活動家でもある。なかでも環境問題にはとても熱心で、母国オーストラリアの炭素税キャンペーンのテレビCMに出演し、炭素税のカーボン・タックスにちなみ、「カーボン・ケイト」というキャッチフレーズで炭素税の施行に「イエス」と答えるよう促した。
また、2010年、アート監督を務めていたシドニー・シアター・カンパニーのホーム劇場の屋根にソーラーパネルを設置。翌年には、世界最大規模の雨水を集めるシステムも導入した。
環境活動に熱心な理由について、3人の息子を持つケイトはこう話す。
「子どもたちのためにも、環境問題に取り組んでいるの。彼らの未来を守りたいからよ。環境問題は自分の国だけでなく、世界中の、一人一人に関係してきている。逃れることはできない問題で、みんなが共通して関係していること。危機ではあるけれど、私たちに良くなる機会を与えてくれている危機でもある。消費の仕方、考え方、行動を変える時が来たの。(環境を)守る責任に気づくことで、後の世代から敬意を受けることができるのよ」。
エコ目標を自分に課して実践
そしてケイトは、自分の中に掲げている目標を打ち明ける。
「自宅の電力をグリーン電力として認可されたものに切り替える。シャワーヘッドを節水のものに取り替える。洗濯機をお湯ではなく水洗いにセットする(欧米の洗濯機の標準サイクルは、お湯を使うことになっている)。適切な屋根素材かどうかをチェックし、必要なら取り替える。国内線の利用を回やめて、カーボンオフセットを購入する。車の運転は週に20キロ以下にする。家庭内での電気とガスの消費を20%減らす。太陽熱温水器を設置する」。
環境保護団体ソーラーエイドのパトロンとして、助力の呼びかけのビデオメッセージを作ったり、世界ビジネスサミットに出席して各国の経済界のリーダーに向け、環境に優しい経済活動をするようスピーチしたりと、ケイトは有名税をしっかり利用して、人々に地球温暖化の脅威とエコ活動の大切さを呼びかけている。
PROFILE
ケイト・ブランシェット CATE BLANCHETT
1969年オーストラリア生まれ。演劇学校在学中から演劇で高い評価を受け、1994年に映画デビュー。2005年に『アビエイター』でアカデミー賞助演女優賞を受賞。2014年には同主演女優賞を受賞。
文/はせがわいずみ
『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載