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サステナブルな経営で株式上場を目指す

固定価格買取制度(FIT)の恩恵で急速に伸びた太陽光発電業界だが、今や様々な要因から市場は発想の転換の時代に入っている。その中で、積極的な投資で成長を続けるLooopが成功した秘訣とは何か。また、将来的にどんな経営をしていくのか。同社代表取締役社長CEOの中村創一郎氏に聞いた。

自然と開発とを調和させながら
より良い環境に

今年1月9日、東京・上野に新オフィスをオープンしました。個人的にも毎日会社に行くのが楽しくなりましたし、会社の雰囲気も以前より良くなったと感じています。オープンスペースを中心に据えたデザインにしているのですが、部署間をつなぐウッドデッキの通路で出会えば自然とコミュニケーションが生まれ、各事業の発展にもつながっていくのではと期待しています。

室内には緑をふんだんに使いました。緑はサステナブル(=持続可能)なイメージがある一方で、管理をしなければ伸び放題になり、快適な居住空間が損なわれてしまいます。自然と開発とをいかに調和させ、自分たちにとってより良い環境にしていくかを常に考える。この空間には、そんなコンセプトが込められています。

実は、太陽光発電も全くこれと同じです。つまり、エネルギーとしてはサステナブルなのですが、一方で森林を伐採するという側面もある。とはいえ、これを自然破壊だと全否定すれば、人類の営みそのものを否定することにもなりかねません。大切なのは、最適なバランスを見出すことです。


株式会社Looop代表取締役社長CEO・中村創一郎氏

当社は現在、「お客様の太陽光発電所を作る事業」「自分たちの発電所を作り発電・売電する事業」「電力小売(新電力)事業」この3つが主な事業です。いずれは電力会社と需要者の間に立って、うまく電気のバランスをコントロールする事業者(アグリゲーター)としての役割も担いたいと考えています。

また、大型の風力発電も手掛けており、今のところ120MWの設置計画があります。こちらは、蓄電池を入れて無制限抑制にも対応していきます。さらに、3つの柱の事業を金融面でつなげるフィンテック事業への参入も進行中です。

太陽光で日本をさらに強くしたい。
「やってみる」というポリシー

日本の太陽光発電業界全体にいえることかもしれませんが、海外へ積極的に進出していく必要があります。

例えば当社は今、アフリカ、インド、レバノン、ヨルダンなどで太陽光発電の投資を進めています。レバノンでは大学や工場と直接PPAを締結する自家消費事業に注力し、インドではパネル販売をメインに展開するなど、各国のマーケットに合わせて投資内容も変えています。しかも、海外なら優秀な人材も集めやすい。

私は、少し落ち込みを見せている太陽光業界を何とか盛り上げたい、日本をさらに強くしたいと思っています。そのためには、売上と利益をしっかり確保する必要がありますし、優秀な人材も欠かせません。今や社員は230人まで増え、来年度は新卒が10人以上入社予定で、来期は総勢250人ほどになる見込みです。

売上は400億円を超えそうですが、大事なのは、利益をどう確保するかです。今期は前期同様、かなり先行投資しているため増収減益を見込んでいますが、どこかのタイミングで減収増益にしていかなければなりません。その時、株式上場も近付くものと思います。

上場の目的は、資金調達の選択肢が広がるというだけでなく、社員が誇りを持てる会社にすること、ステークホルダーに前よりも良い会社になったと思っていただくことです。もちろん、上場すれば色々な縛りもありますし、経営の自由度やスピードが制約を受ける可能性も重々承知しています。しかし、まずはやってみてから考える。それが私の基本的な経営方針です。


取材・文/大根田康介

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