DIC、インドネシア工場でバイオマス燃料を採用
2018/06/26
近年、再生可能エネルギーを導入する工場が増えてきている。世界トップシェアを誇る顔料メーカーのDICは、2018年度より、子会社工場の燃料を石炭からパームヤシ殻(PKS)へ本格切り替えしていくと公表した。有効なバイオマスエネルギーとして注目されている、PKSの実力とは?
CO2削減のため
エネルギー置換を本格化
印刷インキ、顔料メーカーのDIC株式会社が、インドネシアの100%子会社で顔料を生産するカラワン工場において、場内で使用する熱エネルギーを得るボイラ用燃料の一部を、石炭からパームヤシ殻(Palm Kernel Shell:PKS)に置換する取り組みを2018年1月より本格開始した。地球温暖化防止への取り組みとして、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)排出量を削減することが目的だ。
再生可能エネルギーであるPKSはCO2を排出しないうえ、発熱量も高いことから、新たなバイオマスエネルギーとして期待されている。インドネシアは世界第二のパームオイル生産国で、オイルを抽出した後のPKSが豊富に発生することから、採用に踏み切ったようだ。
バイオマスへの置換により
工場の課題を徐々にクリア
同工場は、DICが連結子会社化した2012年以降、生産量は右肩上がりになった一方、消費エネルギーの増大によるCO2の大量排出が課題だったという。
そこで、2017年にエネルギーマネジメントシステムの国際規格である「ISO-50001」認証を取得。石炭使用量の約12%をPKSに置換することで年間約5,000tのCO2排出量削減を実現するなど、環境負荷低減への取り組みをスタートさせていた。
今年度からはこの活動を本格化し、PKS比を25%まで引き上げることで、CO2排出量を年間約10,000t(2016年比15%)も削減している。
DICグループは、「『2013年を基準年として2020年時点にCO2排出量を7.0%削減する(年平均1.0%削減)』と目標を掲げて、省エネルギーと低炭素化の推進に取り組んでいる。今後も引き続き、グローバルで温室効果ガスの削減に努め、サステナブルな社会の実現に貢献していく」としている。
DATA
DIC株式会社