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太陽光関連の新設法人が3年ぶりに増加! 風力やバイオは急拡大

2017年に新設された太陽光関連の電力事業者数が、3年ぶりに前年を上回った。倒産件数も減少し、太陽光市場の下落基調に歯止めが掛かったもようだ。また、風力やバイオマス関連の事業者数は、飛躍的に増加している。

倒産件数も
8半期ぶり減少

東京商工リサーチの調査によると、2017年(1~12月)に新設された法人数は、13万1,981社(前年比3.1%増)だった。そのうち、電力事業者は1,988社(同11.2%増)で、増加率は全体平均を上回った。電力事業者の新設数が増加に転じたのは、3年ぶりだという。

新設された電力事業者1,988社のうち、太陽光関連は1,146社。こちらも増加したのは3年ぶりだが、増加率は1ケタ台の8.6%にとどまった。

一方、2018年上半期(1~6月)の「太陽光関連事業者」の倒産件数は43件(前年同期比6.5%減)、負債総額は153億3,700万円(同13.0%減)で、件数・負債額ともに前年同期を下回った。倒産件数が前年同期を下回るのは、8半期ぶりだという。

FITの買取価格の引き下げにより、特に小規模の事業者が倒産の憂き目にあっていたが、やや落ち着いてきたようだ。

今後、太陽光関連市場は再び盛り返していけるのだろうか。市場を見回すと、設備費用などの初期投資を発電事業者が負担する“ゼロ円ソーラー”をはじめ、FITの買取価格よりも、電気の自家消費に重点を置いたビジネスモデルが登場してきている。また、既に設置された太陽光発電設備のO&M(Operation & Maintenance)の需要が増えるという予測もある。

参考:初期費用を発電事業者が負担する「ゼロ円ソーラー」が続々! 普及のカギは自家消費
 

風力とバイオは
圧倒的な増加率

2017年(1~12月)に新設された電力事業者のうち、風力関連は321社で前年比36.0%増、バイオマス関連は186社で同52.4%増だった。事業者数を見ると依然として太陽光が抜きん出ているが、増加率では風力やバイオが圧倒的に高くなっている。

政府は、7月3日に閣議決定した新しい「エネルギー基本計画」で、再生可能エネルギーの主力電源化について明記。具体的な数値目標として、2030年には全電源のうち再エネの比率を22~24%まで引き上げるとした。

これまでは太陽光に偏りがちだった国内の再エネ市場だが、FIT買取価格の下落により、風力やバイオにも注目が集まってきた。

ただし、風力やバイオは、太陽光よりも初期費用がかさむ。市場に参入できるだけの企業体力のある事業者は限られており、寡占化が進む可能性もはらんでいる。さまざまな事業者による健全な市場競争を促すためにも、国の新たな支援策などが期待されるところだ。

DATA

東京商工リサーチ

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