編集部からのお知らせ

あと十数年で27GW拡大!? コミュニティ・ソーラー市場の可能性

アメリカでは、コミュニティ・ソーラー市場の累積設置容量が年々右肩上がりだ。今後はますます盛り上がりを見せ、2030年には57GWから84GWまで拡大すると予測されている。

前記事:経済活性化と電気代削減を同時に実現する”コミュニティ・ソーラー”とは

十数年で27GW拡大!?
予測される今後の可能性

現在米国には42州で各州に少なくとも1つのコミュニティ・ソーラーが運営されているが、42州のうちコミュニティ・ソーラーが法律化、または規制されているのは19州とワシントンDCになる。

全米で最初のコミュニティ・ソーラーはワシントン州エレンズバーグ地方組合電力会社が建設した36kWの小さなシステムで、現在最も大きいコミュニティ・ソーラーはアリゾナ州ツーソンエレクトリックパワー電力公社(TEP)が運営している23MWになる。

米クリーンエネルギーコンサルティング会社であるウッドマッケンジー社によると、2010年当初コミュニティ・ソーラーの累積設置導入量は全米太陽光発電設置容量のわずか0.1%だったのが、2018年前期末にはシェアが1.7%にまで拡大したそうだ。

米コミュニティ・ソーラー累積導入量と米太陽光発電市場におけるシェア
出所:Wood Mackenzie/Vote Solar

同社は2030年にはコミュニティ・ソーラー市場の累積設置容量は57GWから84GWに拡大すると予測している。これは米国の総電力発電量の1.7%から2.6%に相当する。

コミュニティ・ソーラーの可能性をさらに拡大させるためには、さらなる政策を整えること、既存のプログラムを拡大し持続させること、低・中所得層の参加を促すようにプログラムをデザインすることなどが挙げられている。

コミュニティ・ソーラーは、電力消費者に電気代削減、長期間に渡る予測可能で安定した電気料金、選択の自由を提供するだけでなく、地域レベルによるクリーンエネルギー開発・導入によって地域の経済、災害対策、さらに環境改善という恩恵ももたらす。誰でも参加でき、自産自消と地産地消を促進するコミュニティ・ソーラーは誰にとってもウィン・ウィンのようだ。

コロラド州ボルダーで稼働しているコミュニティ・ソーラー(500kW)
出所:Clean Energy Collective


文/モベヤン・ジュンコ

SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【FIT/FIP大幅改正①】初期投資支援スキーム、始動! 屋根設置太陽光に追い風!!...
  2. 【参加受付中!】2025年4月22日(火)「第33回PVビジネスセミナー」
  3. 【FIT/FIP大幅改正②】初期投資支援スキームで、屋根上の太陽光ビジネスが変わる!!...
  4. 本社ビルのエネルギー消費量を50%削減! GOODWEの「究極のトータルソリューション」...
  5. 【2025年度の新制度②】適格事業者の認定と支援・非FIT非化石証書の直接取引拡大など...
  6. ゴルフ練習場屋根への施工事例を大公開! GoodWeのトータルソリューションで実現...
  7. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
  8. 環境省の新年度事業を徹底解説! 工場や事業場の脱炭素化支援策のポイント...
  9. 10kW未満の住宅用・事業用太陽光発電の屋根設置 10月から買い取り価格を大幅に引き上げ...
  10. 【インタビュー】AIKO SOLAR 躍進の秘密に迫る! 日本人CTOが挑んだこととは?...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.53 | ¥0
2025/4/10発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ