編集部からのお知らせ

世界最先端「第4世代の地域熱」がいよいよ日本に到来!

エネルギーのレイヤーとグローバルでの段階

「エネルギー4.0」に向かうために

ご当地電力が各地で生まれている中で、熱と省エネにより、FITから切り離した形での地域エネルギーの自立化を促すのがこれから大事だと思います。それをエネルギー世界史的に見ると、第4世代は「エネルギー4.0」に重なっていくと考えています。1.0は、まさに今の日本の状態。「独占型で国家主義的なもの」で、90年代まではほとんどの国がこの状態でした。2.0は、90年代にヨーロッパで始まりアメリカに飛び火した、いわゆる「電力の市場自由化」です。そして3.0は、2000年から今なお続く再エネ導入の飛躍的な進展です。

FITが大活躍しおかげですが、2.0(自由化)の「成果」も活かされています。「変動するベース電源」の再エネに対して、様々な手段で柔軟性を確保することが必要ですが、2.0の「成果」である市場は最大限活用されています。しかし、日本は完全に取り残されています。1.0から3.0がレイヤーとして積み重なった先に4.0の「分散型エネルギー」があります。

たとえば、テスラが発表した格安蓄電池と太陽光発電を組み合わせれば、コミュニティ化を越えてパーソナル化し、「我が家電力」に到達しようとしています。ところが、日本はまだ「エネルギー1.5」くらいです。買取義務者を小売電気事業者から送配電事業者へと変更し、安定供給を図るというFITの見直しは、一面では良いのですが、肝心なことは消費者が再エネ電力を選べる仕組みです。FITから環境価値を切り離すことも必要です。「ベースロード電源」という古い考え方を捨て、再エネを軸に「柔軟性」に転換することが、「エネルギー4.0」に向かうために必要なのです。

 


認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長 飯田哲也氏
自然エネルギー政策の革新と実践で国際的な第一人者。持続可能なエネルギー政策の実現を目的とする、政府や産業界から独立した非営利の環境エネルギー政策研究所所長。
飯田哲也(いいだてつなり)(@iidatetsunari)さん | Twitter


取材・文/大根田康介

フリーマガジン『SOLAR JOURNAL』vol.15 より転載

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