太陽光発電の自家消費元年はいつ? 全世帯がZEHの町も

近い将来に訪れる「FIT」の終了に備え、各国が新たな制度に移行しつつある今、日本もそうした状況に備えなければならない。そこで注目を集めているのが「自家消費型発電」だ。今回はこの発電形態に関わる事例について、環境経営コンサルタントの村沢義久さんに話を聞いた。

ポストFITは
自家消費型発電へ

太陽光発電は、今変化の時を迎えようとしている。一つは、近い将来に起こるFITの終了。すでにドイツなどではFITからFIP(フィードインプレミアム:電力を販売する際、市場価格に一定のプレミアムを付加する助成制度)へ、さらには入札制度へと移行しつつあり、日本もそういう状況に備えねばならない。

もう一つは、系統連系の難しさ。電力会社から「送電線に空き容量がない」との理由で接続を断られるという例が増えている。筆者は、2030年に累計設置容量150GW、2050年までに300GWを目指す構想を持っている。その実現のためには、FITに頼らず、系統連系も必要としない自家消費型発電への移行が必須だ。

自治体と地場企業に期待

神奈川県は今年4月6日、2018年度「自家消費型太陽光発電等導入事業」の募集を開始した。県が推進する「かながわスマートエネルギー計画」の取組の一環で、民間事業者が自家消費型の再生可能エネルギー発電設備を導入する際に経費の一部を補助する。

その神奈川県で、2年前に平成28年度「かながわ地球環境賞」(かながわスマートエネルギー計画部門)を受賞したのが、鎌倉市の株式会社イソダ。受賞の対象になったのは、鎌倉市内に建設したZEHのモデルハウス「ソーラーサーキットの家NEXT」。高断熱のこのハウスは太陽光パネルと家庭用蓄電池を装備し、パワコンはその両方につながったハイブリッドタイプを採用している。

全世帯がZEH(あるいは二アリーZEH)という「町」も出現している。2014年11月27日にグランドオープンした「FujisawaSST」。タウン内の戸建て住宅は全て太陽光パネルと蓄電池を装備し、一部にはエネファームも設置されている。

太陽光パネルのサイズは電力の自給自足に十分。現状では売電の方が有利だが、買取期間(住宅用では10年)が終了した後には、自産自消型に移るだろう。

災害時の電力確保のために太陽光発電と蓄電池を導入したのが群馬県の上野村。2015年には社会福祉施設である「いこいの里」に、71kWの太陽光発電システムと85kWhの蓄電システムを設置した。

災害時には、電力の自給自足により、入所している要介護者と避難住民の生活を守ることになる。上野村ではその後、上野小学校と周辺施設に同様の設備を設置している。

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