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「Mr.太陽光」が仕掛ける太陽光メンテナンスの新境地

2018年12月26日、エコライフ・インターナショナル(東京)において、太陽光メンテナンス協会の第3回会合が開催された。これまでのメンテナンスの常識を覆す画期的なサービスを展開するYELL(東京)など、独自色を打ち出すさまざまな企業が集まった。

これまでの常識を覆す
「成果報酬型メンテ」登場

太陽光発電が急速に普及するにつれて、メンテナンスの重要性が増している。そんな中、エコライフ・インターナショナル(以下、エコライフ社)の自社発電所に関わっていたある工事会社から、長年「Mr.太陽光」として業界を牽引する井手錠会長のもとに「画期的なメンテナンスがある」という情報が入ってきた。それが、YELLが手掛ける、ソフトウェアを使った成果報酬型のメンテナンスサービスだったという。

エコライフ社はすでに、世界初のインテリジェント・スマートモジュール「EcoMax Module」というブランドを展開している。独自のストリングオプティマイザを搭載することで、モジュール1枚ごとの電圧・電流値が測定できる製品で、ハード面から発電所を管理しているのだ。

「メンテナンスサービスという点では、ソフトとハードで相反するサービスだったが、いがみ合うのではなく、太陽光メンテナンス協会を立ち上げてメニューの幅を広げようと考えた」と井手会長は話す。一口にメンテナンスといっても、ソフト面、ハード面からの管理、パネルをアナログ的に人海戦術で掃除する仕事から、ドローンで上空から一目で異常箇所をチェックするサービスまで様々だ。

それらを単独で営業活動するよりも、「協会を作り前向きな企業が集まって分母を大きくした方がビジネスの幅が広がる」という井手会長の発想が、志を共にする事業者が集まるきっかけとなった。


「Mr.太陽光」と呼ばれるエコライフ・インターナショナル 代表取締役会長 井手錠 氏

今回の会合に参加した企業のサービスについて、以下、紹介していきたい。

●YELL 代表取締役社長 宮内克久 氏
パワコンをソフトウェアで管理し、効率的な発電量を維持する24時間365日監視のシステムを提供。発電量が減少する要因に応じたアラームがあり、適切な対応を施す。

最大の特徴は、発電量アップに対する成果報酬型であること。「最初は驚かれるし、ほとんど信じてもらえない」(宮内氏)。実際に導入することで大きな成果を上げた発電所もあるという。

他にも、水アカなどによる発電量低下を防ぐ、超親水性のクリスタルコーティングも提供。シリコン系やケイ素系にはない耐衝撃性があり、汚れにも強く雨が降っても自動洗浄できるという。

●ユメヤ(愛知) 専務取締役 営業本部長 西中竜一 氏
もともと太陽光発電関連の施工が中心だったが、現在では自ら土地から材料まですべて仕込み、フルターンキーベースで太陽光発電所を提供している。

ベトナムではメガソーラーの設計から材料調達、現地担当者への施工指導まで手掛けるプロジェクトが進行中。「現在は国内メインだが、中長期的には海外の自家消費型エンジニアリングを展開していく」(西中氏)。

太陽光発電システムの取り扱いは延べ15年ほど。施工実績は住宅用から商業施設の屋上まで豊富だ。

●ゼネラルヒートポンプ工業(愛知) 代表取締役 柴芳郎 氏
ヒートポンプ専門の会社で、創業当初から廃熱回収型ヒートポンプの冷暖房と給湯器を主に扱う。

最近では地中熱など再生可能エネルギー由来の熱を利用するためのヒートポンプを開発。電力会社や大学などと共同研究を行っている。

太陽光発電との連携では、「岩手県の温泉地の廃熱を利用したヒートポンプ、蓄電システム、太陽光発電のハイブリッドシステムを手掛けたことがある」(柴氏)。

●A-スタイル(埼玉) 営業部部長 中道知宏 氏
太陽光発電所のEPCを手掛ける。

「Aスタイル」ブランドの蓄電システム、パワコン監視装置システムなどを開発・販売し、低圧向けにパワコンの定格容量以上にパネルを設置できる「スーパー過積載」サービスが特徴。ピークカットをする手前で充放電を制御し、「太陽光発電の一番のデメリットである不安定な電力という部分を通信でしっかりコントロールすることで、安定的な電力を供給していきたい」(中道氏)。

モンゴルで蓄電池と太陽光発電モジュールをセット販売するなど、国外でも実績がある。

●西村あさひ法律事務所 ドバイ駐在員事務所 駐在代表 弁護士 森下真生 氏
日本で最も弁護士数が多いとされる大手法律事務所。海外に11拠点ある。

森下弁護士は企業法務が得意分野で、海外事業の紛争対応や契約交渉をしている。ドバイは6年目で、最初の3年は丸紅の電力部門を担当していた。その縁で電力関係の仕事を数社から引き受けたこともある。

「中東には日本企業や日本製品がまだ進出しきれていない。そこを何とかしたいと個人的には熱い思いを持っている」(森下氏)。2017年12月にドバイで法人を設立し、中東での事業展開に積極的に取り組むエコライフ社の心強いアドバイザーだ。

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