沖縄本島初! 蓄電システム付き太陽光発電所完成!
2019/02/13
塩漬けとなっていたIDを生かして
地域に資する太陽光発電所を開発
そもそもこの土地は、買取価格36円/kWhとしてFITの認定IDは取得されていたものの、ある事業者が実際の開発まで進められずに塩漬けとなっていたところ、丸豊商事が土地と認定を取得したことで、開発が始まった。
丸豊商事の豊里友彦社長(左)と豊里友成会長(中央)、TOP ONE代表の宮城君代氏。共に完成を祝いあった。
丸豊商事の豊里友彦社長によると、今回の蓄電池付きメガソーラーの開発費は、土地の購入費を除いて約9億円。自己資金は約1億円で、残りを沖縄海邦銀行による融資で賄った。同社の経営規模に対してプロジェクトの規模が大きく、事業化に至るまでには数々の困難があった。
それでも豊里社長の背中を押したのは、「地元の企業でも、蓄電池付きメガソーラーという困難なプロジェクトを成し遂げられることを示したい」という思いと、開発や運用に必要な技術や企業が育つことなど、地域全体にとって大きな利点があるという判断だった。
豊里社長は「当社がかつて、約800kWの地上設置型太陽光を開発した際にEPCサービスを託したのが、TOP ONE設立以前に沖縄の太陽光関連企業に従事していた宮城リチャードさんでした。今回のメガソーラーは、当社にとって事業規模の大きな案件でしたが、宮城さんを信頼して、任せようと思いました」と開発当時の思いを語る。
「当社のシミュレーションによれば、この発電所によって、およそ650世帯分の電力を賄うことができ、年間で845トン以上のCO2を削減できます。沖縄での自然エネルギー活用を進められるよう、引き続き発電所の開発に邁進したいと考えています」(宮城リチャード氏)。
クリーンな電力を沖縄の人々へ――。
地元企業の協力と信頼によって完成したこの発電所が、沖縄における再エネ普及を加速させてゆくに違いない。
TOP ONE社長の宮城リチャード氏(左)とジンエナジーの余氏。今後も強力なパートナーシップによって太陽光発電所の開発を進めていくことを誓いあった。
DATA
ジンエナジー(JINERGY)
晋能清潔能源科技股份公司(JINERGY/ジンエナジー)は、中国国営のパネルメーカー。国営企業ならではの盤石な経営体制を有し、最先端の技術を駆使した工場で製造するパネルは、故障率の低さと品質の高さに定評がある。日本国内では、2018年12月までに累計29案件、約23MWを納品。北海道から沖縄まで日本全国の環境に適応し、住宅用から特高案件まで、幅広い顧客から高い評価を得ている。中国では累計2.4GW以上の納品実績があり、インド・パキスタン・ヨーロッパ・オーストラリア・メキシコ・ブラジルなどにも納品。最近では、超高効率型ヘテロ接合型(HJT)太陽電池モジュールの販売に主軸をおき、両面発電タイプのHJTモジュールは、コンクリート床、反射布などさまざまな用途で、発電量を10%~30%増加させることが可能であり、モジュールの総発電能力は通常のものより44%向上しました。また、太陽光パネルの設計と生産に関する要件を引き上げたIEC(国際電気標準会議)の新基準に基づいて認証を受けた最初の太陽光発電企業でもある。
ユー・シー・エル
株式会社ユー・シー・エル(東京都渋谷区、代表取締役社長、陳海波、資本金9,500万円)は、1996年にIT人材会社として設立された。2011年に日本の大手電機メーカーより「太陽光発電用の変圧システムを中国で販売したい」との依頼を受け、江蘇省の太陽光発電企業に販売。これを皮切りに、海外事業部として太陽光発電の関連事業を開始した。2016年よりジンエナジーの唯一の総代理店として日本国内での販売している。現在では、パネル・架台・PCSをはじめとした豊富な製品ラインナップのもと日本国内販売向けに太陽光発電関連機器の卸売りを主軸に行っている。
撮影/今泉真也