編集部からのお知らせ

2023年までの再エネ導入量予測は? 国際エネルギー機関が公表

国際エネルギー機関(IEA)が年次レポート「Renewables 2018 Analysis and Forecasts to 2023」(RE2018)を発刊。2023年までの再生可能エネルギー導入量や、CO2排出量の見通しは? 資源総合システムの貝塚泉氏が、世界の再エネ情勢を読み解くコラム第2回(前編)。

» 前回の記事はコチラ

太陽光発電の導入予測
再エネは何パーセントを占める?

国際エネルギー機関(IEA)は、年刊レポート「Renewables 2018 Analysis and Forecasts to 2023」(RE2018)を昨年10月8日に発刊した。

IEAは、2017年に新設された再生可能エネルギーの総容量は178GWで、うち太陽光発電システムの新規導入量は97GWであったとしている。太陽光発電システムは世界で1年間に最も多く導入された電源であった。同レポートでは2018~2023年までの再生可能エネルギーの導入見通しも示している。同報告書のメインケースでは、2023年までに再生可能エネルギーによる発電能力は1,069GW増加し、世界の新設電源の70%以上を占めると予測している。

また、新設される再生可能エネルギーによる発電能力のうち、太陽光発電システムは575GWと最大割合を占め、このうち約55%は電力事業用太陽光発電プロジェクトであるが、分散型電源も増加すると分析している。同報告書の2017年版(RE2017)では、2022年の世界の太陽光発電システム累積導入量は737.2GWとしていたが、RE2018では同861.8GWへ上方修正された。

各国政府が政策や金融支援施策を導入することを前提とする加速ケースでは、メインケースより導入量が25%増加し、2023年の再生可能エネルギーによる発電能力は累積で3,658GW、太陽光発電システム累積導入量は、住宅用、業務用および独立形の応用なども増加し、2023年に計1,111.9GWに達するとしている。

●Renewables 2018 Analysis and Forecasts to 2023による太陽光発電システム累積導入量見通し

出典:国際エネルギー機関(IEA)「Renewables 2018 Analysis and Forecasts to 2023」(2018年10月)より(株)資源総合システムが作成。

再エネ導入量は拡大も
CO2排出量は増加の見通し

しかし、IEAは、世界の再生可能エネルギー導入量は電力需要の増加の3倍のスピードで拡大しているが、世界のCO2排出量は増加する見通しで、排出量の増加をくい止めることはできていないと指摘した。

長期的な気候と持続可能性の目標を達成するためには、電力だけでなく交通分野や熱としてのエネルギー利用においても再生可能エネルギー、エネルギー効率化及びその他のクリーンエネルギー技術の促進が必要であると言及している。

 


文/資源総合システム 調査事業部 部長 貝塚泉

関連記事

2019/01/07 | 編集部からのお知らせ

CO2削減に向け、実現すべきは「EV100%」

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【参加受付中!】2024年10月25日(金)「第31回PVビジネスセミナー」
  2. N型「ABCモジュール」が、さらに進化! フルスクリーン化で、圧倒的な高性能を実現...
  3. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  4. 専門家に聞いた! 日本に「垂直ソーラー」が必要な理由とは?
  5. 【環境省】脱炭素先行地域に9地域を追加選定。全国82地域に
  6. 銅線ケーブルの盗難を未然に防ぐ、ファーウェイの自立給電無線監視ソリューション...
  7. 積雪・砂埃・雨水だって問題なし!フレームによる段差がないフルスクリーンモジュール...
  8. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
  9. 11/29(金) 東京・浜松町で開催! パネル洗浄とO&Mの最前線が分かるPV特別セミナー...
  10. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.50 | ¥0
2024/07/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ