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世界の太陽光発電市場・2019年の総括と2020年の市場見通し

新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年の世界の太陽光発電システム新規導入量は、2019年の115GWを下回る可能性もでてきた。2019年の太陽光発電市場を概括したうえで、2020年の市場予測について述べる。資源総合システムの貝塚泉氏が、世界の再エネ情勢を読み解くコラム第11回。

2019年中国を除く世界市場
太陽光発電導入量が大幅増加

2020年4月に国際エネルギー機関・太陽光発電システム研究協力プログラム(IEA PVPS)は、2019年の太陽光発電システム導入量の速報値(DCベース、以下同)に関する報告書として「Snapshot of Global PV Markets 2020」を発表した。

IEA PVPSは、公的な政府機関及び信頼できる業界団体等から情報を収集している。日本の導入量速報値については、弊社が報告している。最終的な確定値は2020年第4四半期に刊行予定の「太陽光発電応用の動向報告書(Trends Report)」で報告される予定である。

同報告書によれば、2019年12月末時点で、世界の太陽光発電システム累積導入量は627GWに到達した。100GW/年での導入が進めば、2025年を待つ前に累積導入量は1,000GW、つまり、1TWに到達し、TW時代が始まる見通しである。

2019年の世界における年間導入量は、前年比11.3%増の114.9GW(2018年103.2GW)であった。表1に年間導入量及び累積導入量の上位10ヶ国及びEUにおける導入状況を示す。中国の導入量は、2018年の43.4GWから30.1GWへ縮小したが、年間・累積導入量ともに引き続き世界最大の市場であり、累積導入量(204.7GW)は世界の約3分の1を占めていた。

ただし、中国を除く世界市場の太陽光発電導入量は、前年の58.8GWから44%増の84.9GWへと大幅に拡大しており、世界市場の中国市場依存は緩んできている。

国別導入量第2位の米国市場は13.3GWに拡大、電力事業用が新規設置の約6割を占めた。第3位のインドは前年から微減の9.9GWで第3位、うち分散型と独立形が約1.1GWであった。第4位の日本は、7GW(速報値)を導入した。欧州連合(EU)も導入量を伸ばし、約16GWを導入した。

導入量上位5ヶ国はスペイン(4.4GW)、ドイツ(3.9GW)、ウクライナ(3.5GW)、オランダ(2.4GW)、フランス(0.9GW)であった。2019年は、その他の市場及び一部の主要市場の導入量が世界の年間導入量に大きく貢献した(ベトナム:4.8GW、オーストラリア:3.7GW弱、韓国:3.1GW、ブラジル:2.0GW、アラブ首長国連邦(UAE):2.0GW)。

2020年導入量は減少の見込み
来年は成長に期待

2020年当初は、2020年の太陽光発電市場は2019年よりも拡大するという見通しを弊社を含む複数の調査機関が発表していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2020年の世界の太陽光発電システム新規導入量は、2019年の115GWを下回る可能性がある。

都市封鎖が緩和され設置の再開も報じられた地域もあるが、経済の不透明性や、行政手続きの遅延、経済状況の変化による為替変動による設置コストの上昇など様々な影響が市場に影を落としている状況である。

弊社は、2020年の世界導入量を悲観的シナリオで88GW、低位シナリオで106GW、高位シナリオで130GWと見ている。ただし、2021年から市場は成長基調に戻るとみている。欧州に代表されるようにパンデミックの終息後の経済回復戦略においてグリーンエネルギーへの転換等を中心に構築する方向性を示している地域もあり、オーストラリアやマレーシア、スイスなどで太陽光発電の導入を市場活性化の一環として進める動きがでている。

また、原油価格の低下により、クリーンエネルギーへの転換の減速が懸念されているが、海外の大手エネルギー企業は、再生可能エネルギー事業を推進する方針を表明しており、COVID-19により、エネルギー転換の流れが止まることはないと考えられる。

DATA

文/資源総合システム 調査事業部 部長 貝塚泉

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