ナタリー・ポートマンが訴える「環境保護の重要性」とは?
2019/05/22
映画『スター・ウォーズ』シリーズや『ブラック・スワン』など、多くのヒット作に出演しているナタリー・ポートマン。子供の頃から菜食主義の彼女は、子役デビュー前から環境保護について声を上げ続けている。
9歳の頃から環境活動家
『スター・ウォーズ』シリーズのパドメ・アミダラ役でお馴染みのナタリー・ポートマン。オスカーを受賞した『ブラック・スワン』で知り合った振付師と結婚し一男一女をもうけ、女優として、妻として、ママとして、そして、近年は映画プロデューサーとして活躍している。
昨年末に公開された映画のプレミア上映会では土砂降りの中、主役ながら早々に到着し、じっくり時間をかけてレッドカーペットを歩き、メイクのミスを発見後は再度カーペットを歩き直すという、大スターながらも礼儀と思いやりをわきまえたプロ意識の高い行動に、取材陣は感銘を受けた。
そんなナタリーだから、現代社会が直面する問題にも積極的に目を向け、有名人という地位を使って人々を喚起する活動をするのも納得だ。しかもその活動は子供の頃にまで遡ることができる。
子役としてデビューする前の9歳の時、ナタリーは「The World Patrol Kids」というポップバンドのメンバーとしてリサイクルを呼びかける歌を録音し、ステージパフォーマンスを行っていた。ナタリーの歌と見事なダンスは、YouTubeで見ることができる。
ヴィーガンになる
きっかけとなった
本の映画化を製作
8歳のころから菜食主義のナタリーは、2009年にベストセラー本『Eating Animals』を読んでヴィーガンになった。アメリカで主流の工場式農場経営の恐ろしさを紹介し、持続可能な農業は環境保護にも繋がると訴える『Eating Animals』をより多くの人に知ってもらおうと、ドキュメンタリー映画化を自らプロデュース。その精神と功労を称えられ、2017年にEnvironmental Media Awards(環境問題を喚起する映画・TV作品やタレントに贈られる賞)を受賞した。
スピーチでは、幼少期の活動を踏まえて筋金入りの環境保護活動家であると示唆し、「工場式農場経営が、私達が被っている空気、水、土壌の汚染のほとんどの責任を負っています。そう、1日3回、私達はそれについての選択を迫られる。私達の惑星に何ができるのかを。動物性食品を1日1回でも、せめて1週間に1回でも食べないことで、違いを生むことができます。努力が必要ですが、私たちの地球のためにそれは必要です」と訴えた。
ちなみにナタリーは、食べるだけでなく、着用するものも動物性製品を拒否しており、2008年に動物性製品を使用していない靴のブランドを立ち上げている。
PROFILE
ナタリー・ポートマン
Natalie Portman
1981年、イスラエル生まれ。1994年公開の『レオン』でヒロインに抜擢され、映画デビュー。2010年に公開された主演映画『ブラック・スワン』では、第83回アカデミー賞主演女優賞をはじめ、数々の賞を受賞した。
取材・文/はせがわいずみ
SOLAR JOURNAL vol.28(2019年冬号)より転載