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再エネ特措法などが閣議決定! 再エネ主力化へのターニングポイント

2月25日、電気事業法や再エネ特措法を含む「エネルギー供給強靭化法案」が閣議決定された。FIP制度の創設や、送配電事業のライセンス制導入など、大幅な改正が目白押しだ。再エネの主力電源化へ、いよいよ大きく舵が切られた。

「エネルギー供給強靭化法案」
再エネ主力化へ、着々と法整備

2月25日、「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」が閣議決定された。これは、「エネルギー供給強靭化法案」と呼ばれ、電気事業法、再エネ特措法、JOGMEC法を一部改正するものだ。現在開催中の第201回通常国会に提出され、一部を除き2022年4月からの施行予定だ。

背景には、頻発する自然災害や、火力発電燃料を海外からの輸入に頼る地政学的リスク、2018年7月の「第5次エネルギー基本計画」で明示された「再エネの主力電源化」がある。改正のポイントは以下のとおり。

電気事業法は、主に送配電事業者や電力広域的運営推進機関などに向けた改正内容だ。送配電事業者に対しては、災害時の連携強化が新たに定められ、仮復旧等の費用をあらかじめ積み立てる相互扶助制度などが創設されることとなった。

また、送配電ネットワークの強靭化のため、ネットワークの積極的な更新計画や、コスト効率化を促す託送料金制度を新設することが決まった。新しい託送料金制度とは、送配電事業者の投資計画を経産大臣が承認し、その投資額の範囲内でコスト効率化を促進する「レベニューキャップ方式」だ。

さらに、災害に強い分散型電力システムを構築するため、配電事業とアグリゲーター事業をライセンス制とし、新たに法律上の位置付けを設ける。
(関連記事『送配電事業の新規参入が免許制に!?「持続可能な電力システム小委員会」』)



いよいよ始まる「FIP制度」
送配電増強のための賦課金も

「再エネ特措法」と呼ばれる「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」は、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」という名称に改正された。

注目すべきは、FIT(固定価格買取)制度に加え、市場価格に一定額を上乗せするFIP(フィード・イン・プレミアム)制度が新設されることだ。FIP制度は、より市場取引に近い制度として、制度からの独立が期待される大型の事業用太陽光発電、風力発電が対象。上乗せされる「プレミアム」の詳細は、今後さらに検討が進められる。
(関連記事『ついに、FITからFIPへ! 市場価格に上乗せされる「プレミアム」ってどう決まる?』)

また、再エネの導入拡大に必要なネットワークの増強費用について、その一部を賦課金方式で全国一律に課す制度が創設されることも決定した。現行の再生可能エネルギー発電促進賦課金にならって制度設計される予定だ。

JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)法は、電気事業法に関連し、緊急時の発電用燃料の調達の取扱いについての改正だ。有事などに民間企業による燃料調達が難しい場合、経産大臣の要請に基づき、JOGMECによる調達が可能となる。

DATA

経済産業省 ニュースリリース


文/山下幸恵(office SOTO)

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