JERAら3社、洋上風力発電応札に向けコンソーシアム。秋田県沖の2海域で
2020/10/26
株式会社JERAは、Jパワーとノルウェーの風力大手・エクイノールとコンソーシアムを組んだ。秋田県沖の2海域における洋上風力発電事業への応札に向け、着々と準備が進む。
JERA、国内外の大手とタッグ
株式会社JERAは9月9日、電源開発株式会社(Jパワー)、Equinor ASA(エクイノール)と秋田県沖における洋上風力発電事業への応札のためコンソーシアムを組成したと発表した。秋田県沖の「能代市、三種町及び男鹿市沖」と「由利本荘市沖」の2海域での事業を予定している。
3社はそれぞれ多くの風力発電プロジェクトの実績がある。JERAは2020年1月、日本企業として唯一「海洋再生可能エネルギー連合」に参加。洋上風力産業をリードするグローバル企業の中で、日本の存在感を高めている。日本と海洋条件が似た台湾では、開発・建設・運営に携わった。
Jパワーは合計出力約53万kWの風力発電設備を持ち、国内第2位の規模だ。ノルウェーのエクイノールは、洋上の石油・ガス開発大手。洋上風力発電事業でも国際メジャーを目指している。JERAが参加する「海洋再生可能エネルギー連合」の主導メンバーでもある。
海洋再生可能エネルギー連合とは、14ヶ国の首脳による「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」の勧告「海洋における気候アクション」に応じた動きだ。洋上風力発電の世界大手のデンマーク・エルステッド社とエクイノールによって主導される。世界風力会議と国連グローバル・コンパクトがパートナーだ。
最長30年の占有に商機ねらう
各社の応札に向けた攻防に注目
経済産業省と国土交通省は7月21日、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)に基づき促進区域を指定した。「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖(北側・南側)」「千葉県銚子市沖」の3ヶ所4区域だ。
再エネ海域利用法では公募に基づいて事業者が選定され、選ばれた計画のみがFIT認定を受ける。2018年12月の法改正によって、選ばれた事業者は最長で30年間、港湾の占有が認められる。逆にいえば、選ばれなかった事業者は実質的に洋上風力発電事業ができない。長期にわたる大規模な事業となるだけに、公募に向けた各社の動きが注目される。
DATA
株式会社JERA プレスリリース「秋田県沖の洋上風力発電事業開発に向けたコンソーシアムの組成について」
文:山下幸恵(office SOTO)