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グーグル、2030年までに脱炭素化目指す。CEOが「カーボンフリー」宣言

グーグルが2030年までに使用する電力をすべて脱炭素化する考えを明らかにした。データセンターやオフィスで使う全電力が対象だ。二酸化炭素の排出を実質ゼロとするカーボンフリーを目指す。9月14日、 スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)がホームページへメッセージを投稿した。

クリーンエネルギーの方針を強化
「カーボンフリー」分野へ投資も

グーグルがクリーンエネルギーに関する方針をさらに強化する。2030年までに使用するすべての電力による二酸化炭素排出量を実質ゼロとすることを目指す。サプライチェーンも含め、5GWのカーボンフリーエネルギーに投資する。これによって2万人の新規雇用が生まれるという。

2007年、グーグルは二酸化炭素の排出量と吸収量が等しい「カーボンニュートラル」を目指すと世界で初めて宣言。また、2017年には、使用するエネルギーをすべて再生可能エネルギー由来とすることに成功した。今回、カーボンニュートラルよりさらに厳しい「カーボンフリー」が新たな目標となった。

「カーボンフリー」とは、二酸化炭素の排出を実質ゼロとすることだ。グーグルは、再生可能エネルギー100%が『二酸化炭素排出量を減らす(Redusing emissions)』ことであるのに対し、カーボンフリーは『二酸化炭素排出量を取り除く(Eliminating emissions)』ことだと表現している。

いくら再エネ100%でも、太陽光発電などが発電できないタイミングでは二酸化炭素を排出する別の電源に頼らざるをえない。今回の方針強化では、この別の電源を二酸化炭素を出さないものに置き換える考えだ。

蓄電池運用をAIで最適化
『持続可能性のムーンショット』

「カーボンフリー」達成のために、まず、2007年のカーボンニュートラル達成以前からの二酸化炭素の排出量をすべて相殺したという。つまり、グーグルが過去に排出した二酸化炭素の排出に対しカーボンオフセットを購入することで、過去の排出を“なかったこと”にしたことを意味する。

次に、蓄電池を活用し、24時間常にカーボンフリーな電力を使える環境を整えていると述べた。太陽光発電や風力発電は気候条件に左右されるため、常に発電し続けることは難しい。グーグルは、再生可能エネルギーによる電力を蓄電し、発電できないときの電源とする考えだ。AIによるデマンド管理などによって、エネルギー利用の最適化を目指す。

今回の方針強化には「これは我々にとって最大の持続可能性のムーンショットだ。多くの実務的かつ技術的な困難が伴う。しかし、我々は、この目標を掲げ達成する最初の企業になる」というスンダー・ピチャイCEOの強いメッセージが込められている。

DATA

Our third decade of climate action: Realizing a carbon-free future


文:山下幸恵(office SOTO)

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