初期費用ゼロの「PPAモデル」って? 無料で太陽光発電を導入できる?
2021/02/05
PPAモデルとは太陽光発電システムを、お金をかけずに導入する仕組み。「無料設置&自家消費」が、これからの太陽光の主流になる!?
導入コストは事業者持ち
自家消費にも「PPA」
太陽光発電設備を初期費用ゼロで導入できる仕組みとして、近年注目を集めている「PPAモデル」。自家消費向けシステムに関しても、PPAモデルは有効だ。
PPAとは、POWER PURCHACE AGREEMENTの略称。直訳すると電力購入契約だが、いま注目されているPPAモデルは、PPA事業者が顧客の建物の屋根に無料で太陽光発電設備を設置し、顧客は屋根上の太陽光で発電した電気をPPA事業者から購入するというもの。太陽光発電設備の所有権は、建物のオーナーである顧客ではなく、PPA事業者が有するため、「第三者保有モデル」とも呼ばれている。使った分だけ月々電気代はかかるが、初期費用ゼロ円で太陽光発電設備を設置できるのは魅力的だ。また、一定の契約期間(10年〜20年程度)が過ぎた太陽光発電設備は、多くの場合、顧客に無償で譲渡される。
蓄電システムを加えた
住宅向けサービスも
PPAモデルは、工場や事業所向けのものから住宅向けのものまで幅広く存在する。
先ごろ発表されたハンファQセルズジャパンの住宅向け「蓄電使い放題プラン」のように、太陽光発電設備と蓄電システムをセットにしたPPAモデルも出てきている。このサービスの場合、太陽光でつくった電気を蓄電システムに貯められるので、夜間でも、停電時でも、太陽光の電気を使い続けることができる。しかも料金は、いくら使っても月々定額だ。もちろん、PPAモデルなので、初期費用はゼロ円。契約期間が終了する10年3ヶ月後には、システムすべてが無償譲渡される。
再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、導入のハードルを下げるPPAモデルに、多様なサービスが加わるのは喜ばしい。
蓄電使い放題プランのイメージ
出典:ハンファQセルズジャパン
取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.35(2020年秋号)より転載